環境報告書2016|信州大学
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 AICSは、エネルギー消費を低減するためにさまざまな環境配慮設備が導入された「エコ」ビルでもあります。導入されているのは、太陽光発電、燃料電池、地下水熱を利用した空調、融雪装置など21設備で、同規模の研究棟と比較して二酸化炭素の排出量をおよそ半分程度に減らすことを目指しています。 とくに、地下水の取水制限のない長野市に立地していることを生かし、1年を通じて温度がほぼ一定の地下水熱を空調の熱源に用い、さらにトイレなどの雑用水として再利用、上水道の使用量を節約しています。また、センターのエネルギー使用の大半を占めるのが、実験室や企業連携ラボにおける実験設備のため、常に電気使用量を把握し、低減してもらえるように1階エントランスホールおよび各階のエレベータ前にモニターを設置し、「見える化」しています。  下の図は、環境配慮設備の概略を示したものです。プロジェクト実験室でかかる電気代を減らすため、太陽光発電パネルや燃料電池などの自家発電の設備に加え、燃料電池の排熱、地下水熱などを利用したエコ仕様の空調機器、さらに、ドライルームのエコ運転モード、ドラフトチャンバーの変風量制御といった実験装置のエコ仕様化があります。 代表的な設備について詳しく説明していきましょう。太陽光発電パネル 総発電容量300kW 雪国に配慮した設計各階の「見える化」モニタードライルームのエコ運転モードドラフトチャンバーの変風量制御LED、人感センサー、画像センサーの使用地下水熱による融雪(玄関フロア、太陽電池パネル)地下水熱の利用燃料電池の排熱利用自然換気、クール・ヒートピット高断熱ガラス・壁、ダブルスキン燃料電池(100kW)太陽光発電(300kW)上水道地下水水道電気実験設備等の電気使用量低減ガス自家発電による電気使用量低減その他電力会社に料金を支払う電気燃料電池用空調の電気使用量低減再利用雑用水へ利用(上水道使用量の低減)一次エネルギー消費量(CO2排出量)の削減効果(%)/通年国際科学イノベーションセンターの環境配慮設備と、電気、ガス、水道利用へのインパクト 北を除くすべての外壁面と屋上面には1332枚の太陽光パネルが設置され、約300kWの総発電容量があります。設計時に参考とした東京工業大学大岡山キャンパス(東京都目黒区)にある「環境エネルギーイノベーション棟」は約4570枚で、650kW(総発電容量)なので、その半分以下ですが、屋上面のパネルには10度の角度をつけ、降雪を自然に落とす配慮をするなど、雪国ならではの配慮がされています。太陽光発電パネルは屋上面を含む4面に計1332枚あり、発電能力は約300kW太陽光、燃料電池、地下水熱利用などの環境配慮技術で、CO2排出を半減へ7環境配慮の「設備」AICS

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