環境報告書2016|信州大学
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卒業論文図1 貫流水車ラボモデル図2 実験装置卒業論文卒業論文教育学部 学校教育教員養成課程 ものづくり・技術教育コース 後藤 大河工学部 環境機能工学科 小山 大貴 小学生を対象とした人間と動物の 共生を考えるシナリオ教材の開発 人間と野生動物との共生は、現代社会において重要な課題である。そこで本研究は、小学校高学年を対象に、自然との関わりを内容にしている道徳という教科で、野生動物との共生についての知識や考え方を理解し、実践を意識することのできるシナリオ型ゲーム教材の開発を行った。小学校5年生34名を対象にした実践及び検証の結果、人間と野生動物との共生に対して興味・関心を持たせ、共生について考えさせる教材として有効であったことを確認することができた。 小水力利用に適した 貫流水車の開発  近年、化石資源の枯渇や環境問題から再生可能エネルギーの導入が推進されている。その中で、水力エネルギーは他の再エネと比較して密度が高く、豊富な降水量と急峻な地形など地理的条件に恵まれた国や地域において導入が進められてきた。その一方で、先進諸国においてはダム式の大規模水力発電の建設適地は残されておらず、小河川による流込み式発電所や、農業用水、上下水道などの既存インフラに潜在する遊休落差を利用した小規模水力発電に注目が集まっている。しかしながら、発電規模が小さくなるほどスケールメリットが生かせずに経済性が低下する小規模水力発電においては、従前の大規模水力発電で使用されている高級機器のスケールダウンによる利用は適さない。そこで、本研究では小規模水力エネルギーの利用を発電性能および経済性の両方の観点から実現可能な水車として貫流水車の開発を目的とした。 図1に設計、製作した貫流水車のラボモデルを示す。貫流水車は二次元円弧状翼が円周上に配置された簡単な構造であり、ランナ上流に位置するガイドベーンにより流路面積を可変とすることで幅広い流量変化に対応できる。ケーシングやノズルの形状が単純なため、発展途上国での製造、設置、メンテナンスが可能である。このラボモデルについて水車性能実験をおこない82%の最高効率と、流量-落差条件の抽出ができた。今後は、ガイドベーン開度とキャビテーション発生状況や水車効率との関係を評価する。34

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