工学部案内2017|信州大学
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今、私は木祖村の景観計画に携わっています。木祖村は、木曽川源流、県央やや西よりに位置し、山間のとても穏やかで美しい自然に恵まれた、人口3,000人ほどの村です。このような村の景観計画を行う上で大切なこと、それは、最大限、地域に寄り添う事だと私は考えます。地域に対する深い愛情なくしては、どのようなまちづくり、むらづくりも成り立ちません。地域への思い、またそうした思いをもった人々の顔が感じられる景観計画を目指していく。そして、生きる人々を基盤に次代のカタチを模索していく、この取り組みの先に新たなまちづくりの可能性を拓いていきたいと強く思っています。一般的に建築というと、新しく建物を作ることを想像されると思いますが、私が取り組んでいるのは、すでにある建物を保護するための研究です。日本人が長い歴史の中で、培ってきた建築文化を後世に継いでいくためにも、保護していかなくてはならない建物がたくさんあります。建物を調査し、その土地の文化を読み解き、地域の歴史を活かした街づくりの提案を行っていく、それは、日本の風土に根ざした伝統的な建築文化をもとに、よりよい暮らしを未来に向けて提案していく作業ともいえます。歴史的な建築を研究することで得た知見をもとに、長野という地固有の文化や歴史を未来につなげていきたいと思っています。Mikiko Terauchi建築学科 准教授寺内 美紀子Shigeo Hoyano建築学科 准教授梅干野 成央土地が持つ歴史や文化を未来につなげていきたい。17

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