工学部研究紹介2017|信州大学
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研究シーズ共同研究・外部資金獲得実績社会貢献実績研究キーワード博士課程小池雅和君による国際会議での研究発表(Santa Clara University, USA)炭素という元素をご存知でしょうか?無色透明で高価なダイヤモンドから鉛筆の芯に使われている黒色のグラファイトまで、バラエティーに富んだ形態と、金属と半導体を合わせたような特性を持ち、日常生活に入り込んだ身近な元素です。この研究室では、多様な形態をとる炭素の新しい仲間のカーボンナノチューブやグラフェン(図1)といった、ナノメートルスケールの材料を活用した環境問題解決や携帯電話、スマートホンや電気自動車に使われているようなリチウムイオン電池の性能を向上させるための研究を行っています。ミクロの炭素体、カーボンナノチューブ・グラフェンで次世代環境エネルギーを変える空圧式除振台実験装置カーボンナノチューブ・グラフェン・ナノカーボン・構造解析・エネルギーデバイス・環境デバイス•構造制御されたCNT、グラフェン等ナノカーボン材料の合成•原子分解能での構造解析、元素分析•電子顕微鏡中でのナノ材料のin-situ変形、加熱観察•ナノカーボンを用いたリチウムイオン二次電池、キャパシタ用電極材料の作製と評価•ナノカーボンの構造及びエネルギー貯蔵の計算機シミュレーション•ナノカーボン複合体の作製と評価•CVDにより生成されたナノカーボンの構造解析(民間企業との共同研究)•カーボンナノチューブのカイラリティ解析(民間企業との共同研究)•燃料電池触媒材料の検討(民間企業との共同研究)•超硬ナノカーボンの構造解析(民間企業との共同研究)•海水淡水化膜材料の構造解析(JST・アクアイノベーション)NT、Carbon等国際国内会議運営、プログラム委員高校連携講座サマースクール林卓哉教授東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、信州大学工学部電気電子工学科助手を経て2014年より現職。研究分野はナノ炭素材料の基礎科学と応用。リチウムイオン電池などにナノ炭素材料を利用する際の基礎的な研究として電子顕微鏡を用いた微細構造解析・物性解析なども行っています。(図2)ナノの世界からアプローチすることで、より緻密な材料設計が可能となり、強度が高くて自分で発電する電子ペーパーや透明電子回路のような微細なものから、宇宙送電線などの巨大なものまで将来的にはナノ炭素材料を元にして実現することを目指して研究を推進しています。自動車会社、鉄道会社、電機会社などのエネルギーデバイスの開発を活発に行っている分野が進路に選ばれているようです。就職後も研究室で学んだ事を活かして楽しく仕事をしているようです。図1カーボンナノチューブ(左、中)とグラフェンシート(右)写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm図2リチウムイオン電池を搭載した電気自動車やスマートフォン、タブレット、学生がナノカーボン生成中!?写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm林研究室研究から広がる未来卒業後の未来像水環境・土木工学科【先生の学問へのきっかけ】4歳くらいから野山で昆虫や水生生物採集などをしていて生き物や自然現象に興味を持ちました。小学生くらいになるとおもちゃや電化製品の分解などをして壊しまくって機械構造や回路と機能の関係に興味を持ちました。そうこうして歳を重ねた結果、今のようになりました。どのような些細な疑問や興味でも、それを抱き続けることが学問のきっかけになるのだと思います。(c)123456785.4631k0.3642k9.01.0M0.5159k260.250.5713Resistivity [mm]3.2M29k67k1.6MResistance []85

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