工学部研究紹介2017|信州大学
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諏訪湖での湖上観測風景役割を手分けし、流速や水質などを観測している長野市内における地形からみた水害危険区域(黄色・赤色部分)今昔の地形図を判読して、地形特性から水害危険区域を抽出する豊⽥研究室研究から広がる未来卒業後の未来像世界各地でさまざまな水環境問題や水害が起きています。豊田研究室では、主に長野県内の湖沼・河川を中心として、これらへの対策を「水の動き」の観点から考えています。具体的には、現地観測・コンピューターシミュレーション・地形図の判読などを通して、「水の動き」を計測・予測することにより、諏訪湖における水環境問題解決や長野市内における水害対策策定のための基礎的な現象の解明を行っています。その他、水害に対する住民意識アンケートや環境・防災の両面を考えた今後の川のあり方の検討など行政に近い内容の研究も行っています。人は自然の中に住まわせてもらっています。自然現象を少しずつ解明していき、それらの結果をふまえて自然とどうつきあっていくかを考えることは、土木工学の醍醐味の一つです。自分たちの研究・調査結果に加えて、他の研究者(例えば、生物・地質など)や行政などが出した結果をあわせて総合的にとらえ、よりよい自然とのつきあい方を考えていくことがこれからの時代では必要になってきます。豊田政史助教京都大学大学院修士課程、運輸省港湾技術研究所研究官、信州大学工学部助手を経て、2007年より現職。研究分野は、湖沼・河川における「水の動き」。国・県・市などで土木事業全般に幅広く携わる「公務員」が最も多く、次いで計画・調査・設計業務を主に行う「建設コンサルタント」、その他ではIT関連企業に就職した学生もいます。⽔環境問題や⽔害を『⽔の動き』の観点から考える⽔環境・⼟⽊⼯学科研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード⽔環境・⽔防災・湖沼・河川【先生の学問へのきっかけ】高校時代は、自然現象(自然災害、自然環境)に興味がありました。自然そのものを学ぶのならば理学部、自然と人や生物とのかかわりを考えるならば工学部の土木と考えました。最終的には、自然と人や生物とのかかわりを考えるのがおもしろいと思い、土木工学科を選択しました。4年生になって研究室を選ぶときには、師事したいと思った先生の専門である「水」を選び、研究室配属後は自分のやりたいように研究させていただきました。現在は、水災害や水環境について、学生たちといろんな観点から考えられて、とても幸せな毎日です。•湖沼・貯水池における水質管理手法の検討•洪水氾濫危険区域の検討特になし水環境・水防災に関する委員会の委員(国土交通省、長野県)84

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