工学部研究紹介2017|信州大学
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信州発橋梁点検マニュアルを用いて、橋梁現場での点検調査橋梁劣化のメカニズム・要因を明らかに、橋梁の長寿命化を目指す研究シーズ共同研究・外部資金獲得実績社会貢献実績研究キーワード橋梁の維持管理・劣化のメカニズム・道路・熱伝導・凍結・構造力学【先生の学問へのきっかけ】「橋梁も長生きさせたい」人間が長生きを望んでいるように、どの国も橋梁等のインフラを長生き(長寿命化)させたいです。橋梁メンテナンス技術は橋梁の寿命に影響します。橋梁メンテナンス技術の研究に深く関心を持つようになったきっかけの1つは、2007年8月にアメリカミネソタ州ミネアポリスで発生した、多数の死傷者を出した橋梁の崩落事故でした。このような大惨事を日本で発生させないようにする為に、橋梁の誕生前(設計段階)から安全に供用生涯を終えるまで、どのように維持管理、メンテナンスを行うべきであるか、橋梁劣化のメカニズム、劣化要因、国内外の落橋事故から見るメンテナンスの問題点・吸収すべき教訓等について研究し、橋梁の長寿命化と繋ぎたいと考えています。•国内外の橋梁の崩落事故から学ぶ橋梁の維持管理の教訓とマネジメント技術•日米欧の橋梁維持管理技術に関する研究•橋梁劣化のメカニズム、劣化要因に関する研究•道路の熱伝導に関する数値解析•道路の凍結に関する数値解析•路面の霜形成のメカニズム及び影響要素に関する研究•産学官共同研究で、信州発の橋梁の簡易点検マニュアルを作成し、県内外現役橋梁の点検に適用された。•外国人女性研究者委員として県主催の「明日の建設業を語る女性の会」に参加、提言を出した。NPO橋梁メンテナンス技術研究所理事青少年の為の科学祭典(2010年)の実行委員及びブース出展工学部2014年度と2015年度の第1回と第2回オープンキャンパスにおいて、広報委員として、学科活動の総括県技術協会会員を対象に、出前講座“日米欧の橋梁維持管理について”を実施した。水環境・土木工学科日本は人口の高齢化だけでなく、橋梁の高齢化も急速に進んでいます。長野県では、2022年に約54%の橋梁が50歳以上の高齢化橋梁になります。橋梁の維持管理、メンテナンスの技術がとても重要です。曹研究室では、橋梁劣化のメカニズム(アルカリ骨材反応、鋼材腐食、中性化、塩害、凍害、化学腐食、疲労等のメカニズム)、日米欧における橋梁マネジメント技術、橋梁の長寿命化等に関する研究を行っています。現役橋梁の点検や劣化診断、調査をするために、橋梁の現場にも行きます。9%30%6%1%4%1%3%10%13%12%2%9%44%56%,,1955~19591960年代1970~19721920年以前1920年代1930年代1940年代1950~19541972~19791980年代日本では、戦後高度経済成長期に多くの橋梁が建設された。橋梁の老朽化が急速に進んでいる曹研究室曹研究室では、基礎知識や工学の専門知識をベースに、卒業研究を通じて、問題を見つけて、解決する能力や観察力、仲間と助け合う協力性、国際感覚を有する人間性豊かな研究者を養います。将来、土木工学分野の研究者・技術者の質を有する国家・地方の公務員になることも可能であり、土木・建設会社の現場一線で力を発揮することもできます。更に、日本だけでなく、海外でも技術者として活躍できます。土木や建設分野の国家・地方公務員になり、道路・橋梁等の維持管理に携わります。沖縄県庁(本人の故郷)に入った卒業生がいます。建設会社や原子力発電所、JR等に就職し、活躍されています。洋食屋の料理人に転身した学生もおります。曹西助教大阪府立大学工学部共同研究員(中国国家公派訪問学者)等を経て、信州大学工学部に勤務。研究内容は橋梁の維持管理・マネジメント、橋梁劣化のメカニズム、道路の熱伝導、凍結、路面の霜形成のメカニズム等である。0100200300400500600700800900010203040506070024681012141618202224246810121416182022242468solarradiaon〔W/㎡〕temperature〔℃〕me〔h〕0(withemission)0(noemission)1285(withemission)1285(noemission)地震波出典:KiK-net研究から広がる未来卒業後の未来像83

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