工学部研究紹介2017|信州大学
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國宗研究室研究から広がる未来卒業後の未来像Webページとして作成された電子教科書に、直接書き込みを行い、他の学習者と議論を行うことを実現した“WritableWeb”システム専門科目であるプログラミングを学習する前に、プログラミング言語を使わずアルゴリズム的思考を学ぶための支援システムみなさんはなぜ学校で勉強していますか?そして、どのように勉強していますか?これらの質問に対する明確な答えはありますか?大学では高校までとは少し違い、専門的な知識を習得するだけでなく、「どのように学ぶか」そして「身につけた学び方を他の学びにどう生かす(転用する)か」ということも考える必要があります。國宗研究室では、大学における学習と教育を支援するためのシステム開発を主な研究テーマにしています。これらのシステムは、専門知識の習得・学び方の学び・学び方の転用を様々な形で支援しています。学習や教育は「効率」だけで語ることができない分野ですが、國宗研究室で開発しているシステムは、学習や教育の一部をコンピュータやネットワークの強力なパワーで肩代わりしています。今後、技術の進歩とともに肩代わりできる部分は増えていきますが、学ぶのも教えるのも人間です。「学ぶ」「教える」の本質的な部分は人間が担いつつ、他の部分はコンピュータが肩代わりして、より質の高い「学び」や「教え」が実現できるようになります。國宗研究室の卒業生は、大手SIer(システムインテグレーター)やメーカーをはじめとした多様な企業で活躍しています。研究内容に直接関係する職業だけではなく、研究を通じて習得した考え方や問題の解決力を、様々な場面で発揮できる人材を育成する研究室です。國宗永佳助教1996年石川工業高等専門学校電子情報工学科卒業、1998年信州大学工学部卒業、2003年同大学大学院工学系研究科博士後期課程修了。博士(工学)。信州大学特別研究員、同助手を経て、2007年より現職。専門は教育工学。よりよい「学び」と「教え」を⽀援するシステムを創る電⼦情報システム⼯学科研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード教授学習⽀援環境・プログラミング学習・webアプリケーション【先生の学問へのきっかけ】中学生の頃にワープロ専用機に触れたのをきっかけに、(当時はよく分かっていませんでしたが)情報処理やコンピュータに興味を抱き、高専に進学しました。高専ではプログラミングやネットワークについて学ぶとともに、「工学」というものは人を幸せにするためにあるということを学びました。そして、漠然とではありますが、プログラミングやネットワーク技術を使って、世の中の役に立つことができないかなぁ、と考えるようになりました。•様々な場面における学びと教えの支援•教授・学習を支援する環境の開発•プログラミング導入教育の支援•学習・教育支援機能を有する初学者向けビジュアルプログラミング環境の開発(科研費基盤研究(C))•講義映像からの静止画切り出し及び受講者の注目箇所の提示を実現する遠隔講義システム(科研費若手研究(B))•Webコンテンツ上でのアノテーション共有による学習支援システムの開発(科研費若手研究(B))•内容の更新に追随するe-Learning教材アノテーションシステムに関する研究(科研費若手研究(B))•学習持続性を意識した情報の科学的な理解のコアコンピタンス向け学習プログラムの開発(科研費基盤研究(B))•自学自習型e-Learningにおける学習サポートシステムの開発に関する研究(科研費基盤研究(B))•高等学校情報科における科学的ミニマムエッセンシャルズのための教育プログラムの開発(科研費基盤研究(B))信州大学長野工業高校研究体験プロジェクト、Vicechair,IEEEEducationSocietyJapanChapter、電子情報通信学会教育工学研究専門委員、情報処理学会「教育とコンピュータ」誌編集委員、同教育学習支援情報システム研究会運営委員、教育システム情報学会社員、同論文誌編集委員会幹事Webページとして作成された電子教科書に、直接書き込みを行い、他の学習者と議論を行うことを実現した“WritableWeb”システム専門科目であるプログラミングを学習する前に、プログラミング言語を使わずアルゴリズム的思考を学ぶための支援システム68

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