工学部研究紹介2017|信州大学
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スプーンを叩いて飛行船をコントロール。MagicalSpoonsは、情報通信の原理や仕組みを理解するための教材。全国で約20,000人が利用⾹⼭研究室研究から広がる未来卒業後の未来像香山研究室では、人工知能技術を応用した学習支援工学に関して研究しています。ヒトが有する知識の中で、特に身体知:巧みな動作・行為を可能にしている能力に着目し、芸術(歌唱や美術)やスポーツの練習を対象としたスキル学習支援環境の構築、アルゴリズム的思考法やモデリング/抽象化能力育成環境の整備、情報科学の原理を学ぶためのハンズオンでタンジブルな教材の開発などに取り組んでいます。また、音響情報・生体情報に対するデータマイニング手法・最適化アルゴリズムの開発など、ヒトが発する多様な行為・信号に対する知的な処理の実現も目指しています。“ヒトの学習活動に対する工学的な支援の実現”が香山研究室での研究活動です。ヒトは、学校での「お勉強」のみならず、習い事や資格取得、礼儀作法や育児など、様々な場面で学習を必要とします。学習時の「なぜ間違うのか。どのように間違うのか」を知識処理技術を用いて解明します。そして、教育工学の技術で、効率的かつ効果的な学習方法論を具体化します。これは経験的な暗黙知の具体化でもあります。ヒトの研究では、人間の素晴らしさや賢さと同時に、曖昧でいい加減で移り気であることも体感します。ヒトに対するモノつくりやコトつくりの場面ではこの経験が活きてきます。また、身体知研究を通して、操作デバイス開発からWebシステム開発まで、情報工学の幅広い知識が獲得できます。香山瑞恵教授電気通信大学大学院助手、専修大学助教授、信州大学准教授を経て、2014年より現職。研究分野は教育工学・人工知能。特に、スキル学習やComputationalThinking学習への工学アプローチによる支援。デジタル・ドローイング(デジタルペンを用いたドローイング)を自動解析し、アドバイスを生成[美術専門学校との連携研究]Learning Technology / Learning Science :⾝体知を、⼯学的に、科学する!電⼦情報システム⼯学科研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワードスキル獲得⽀援・学習⽀援⼯学・⼈⼯知能・誤り分析・eラーニング【先生の学問へのきっかけ】ちっぽけな自分の考えたアイデアが、世界に通用する!と感じた瞬間から、研究生活にハマりました。人工知能技術に基づく学習支援は、生まれて40年ほどの新しい世界。誰もがチャンピオンになれる可能性が満載なのもチャレンジし続けられるエネルギーになってます。さぁ、自分の頭にセッセと汗をかこう。•身体知の分析とその継承技術の研究•アクティブ・ラーニング/協働・協調学習の支援技術•初中等教育段階におけるプログラミング教育方法論•ロボット・プログラミングによる能力開発支援(LEGOMindstorm,Artechロボティスト、IchigoJam、iRobotCreate2、ARDrone等)•21世紀型スキル/ComputationalThinkingの育成方法•コンピュータサイエンスの基礎基本に関する初期教育教材•「デイジー教材を用いた学習に困難のある児童生徒のための学習支援システム」(文部科学省「障害のある児童生徒の学習上の支援機器等教材研究開発支援事業」事業、民間企業との共同研究)•「スピードスケート滑走支援」(文部科学省マルチサポート事業(スピードスケート)、民間企業・他大学との共同研究)•「デジタルペンによる学習支援」(民間企業との共同研究)•情報科学の基礎概念理解向け“万人のための情報学”指向なIoT学習パッケージの開発(科研費基盤B)•非同期プロセス共有によるスキル獲得支援に関する研究(科研費挑戦萌芽)•SocialCompetences滋養の参画・協働学習支援システムの研究・実践(科研費基盤A)文部科学省学習指導要領等の改善に係る検討に必要な専門的作業等協力者文部科学省高等学校における遠隔教育の在り方に関する検討会議委員等日本学術振興会科学研究費助成事業審査委員(教育工学)電子情報通信学会ソサイエティ論文誌編集委員会査読委員日本情報科教育学会理事48

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