工学部研究紹介2017|信州大学
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電気電子工学科可視光通信の変・復調の実験:無線局免許や無線従事者免許が必要ないので、研究室でも自由に通信実験ができる写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm遠距離での可視光通信の実験風景:現在共同研究している企業では、40km届いたという世界記録をもつ。衛星通信にも挑戦中写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm半⽥研究室研究から広がる未来卒業後の未来像半田研究室では、主に電波を用いた移動通信方式の変・復調、符号化、通信プロトコルの研究を行っています。電波は見えませんが、携帯電話などで非常に便利に使われています。ここで紹介する研究は、LEDから発せられる光に情報を載せて通信を行う「可視光通信」です。光が見えますので、どこから情報が発せられているのか分かりますし、遮ってしまえばそちらの方向には届きません(秘匿性)。また、病院など電波が使えない場所でも、ガラス越しや水の中だって光が届きさえすれば通信することができます。明かりの必要な所で、LED照明が通信のインフラになります。省エネの代名詞にもなっているLED電灯は至る所に設置されますので、これらに可視光通信機能が付けば、ビル内でのGPS(測位システム)や放送電波の代わりにLED電灯から地デジの信号が受信できる、街灯の下に行けばその周辺のより詳しい地図が携帯電話にダウンロードできるなど様々な応用が期待できます。歴史が比較的新しい分野なので、若い人のアイデア次第で色々な可能性が広がります。学生は、研究室のモットー「よく遊べ、よく学べ」をよく守り、社会に出てからも遊びと仕事を両立して頑張っています。無線器機メーカー、携帯サービス会社、鉄道会社、電力会社など電気・電子・情報通信の殆どの分野で活躍しています。半田志郎教授神戸大学、長野高専を経て、2005年より現職.主に移動通信に関連する無線電波の変・復調方式、符号化・復号化、MIMO伝送方式などの研究開発に従事。近年は、主に可視光通信の研究開発に従事。⾒える無線通信『可視光通信』〜LED の光で情報を伝搬〜電⼦情報システム⼯学科研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード【先生の学問へのきっかけ】小学校の頃に松代群発地震があり、その調査に来られた先生方を見て、“かっこいい”と思い、「あのような人になるには?」と親に聞き、作文に“鉱学博士になる”と書きました。私が育ったのは、まさに電気機器がトランジスタに切り替わる時代でした。大学受験も迷いなく電子工学を選択しました。大学時代は、元々大好きだった物理に関係する授業ばかりで、大変楽しく過ごしました。そんな中で、実力本位で学生を認めてくれる教員に出会い、その先生の研究室に入りました。その研究室から先輩が何人も電電公社(現NTT)に入っているのも魅力の一つでした。しかし、我々の卒業当時は大変な就職難で、一つの会社には学科から一人しか推薦が得られず、研究を続けることになり今に至っています。ある意味、小学校の時の夢をかなえたのかもしれません。ディジタル通信システム・センサーネットワーク・可視光通信・電波伝搬・ディジタル信号処理•ディジタル信号処理•通信方式のシステム展開•ネットワークシステム•電波伝搬の統計的解析•通信方式のシミュレーション手法•ディジタル通信における最適受信の検討•可視光通信システム•FMによる音声アシストシステム、生体位置検知システム、80GHz帯超高速無線通信システムの検討(総務省の調査検討会、何れも専用電波として周波数、電波型式等が制定された)•美術館等での可視光通信を用いた案内システム(民間企業との共同研究)•長野市少年科学センターに可視光通信実験ブース設置(長野市との連携協議会事業)•モバイル可視光通信を実現する組み込みソフトウェア技術の開発(民間企業との共同研究、サポイン)•遅延検波方式の移動通信への適用に関する検討(科研費(基盤研究(C))•移動通信への多値振幅位相変調方式の適用に関する研究(科研費(基盤研究(C))総務省信越総合通信局調査検討部会座長、電気通信技術審議会音声アシストシステム委員会委員、信越受信環境クリーン協議会会長、電子情報通信学会評議員、IEEEShin-etsu支部、Treasurer、ViceChair、Chair長野県職業能力開発審議会会長、信毎賞選考委員、ものづくりNAGANO応援懇話会委員長野県テクノ財団善光寺バレーコラボネット可視光通信技術研究会会長長野市少年科学センター可視光通信実験ブース2011年2月26日信濃毎日新聞記事39

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