工学部研究紹介2017|信州大学
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Pd (111)組成分析の結果赤い部分には主にCuが析出しており、緑の部分にはCuとInが共析している写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm電位パルス電解法により作成したCu/In積層薄膜断面の走査型電子顕微鏡写真写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm物質化学科篠原研究室研究から広がる未来卒業後の未来像篠原研究室では、めっき法を活用して付加価値の高い合金薄膜を低コストで作製することを目指して研究を進めています。合金化することで単一金属では認められない有用な特性(低融点、耐腐食性、高硬度など)を持つ金属薄膜を作ることが出来ます。また、合金めっきでは通常多くの添加剤を使って2種以上の金属の析出電位を近づけることにより合金として析出させますが、同研究室では作製しためっき皮膜の特性を劣化させる可能性を持つ有機添加剤を使わずに合金めっき皮膜を作製する方法として、電位パルス電解法を使った合金めっき技術の開発などを行っています。小さな部品を製造する場合には、材料のかたまりを切ったり、削ったりして作ると考えがちですが、切る・削る技術で1mmの1/100以下の部品を大量に作成するのはとても困難です。そこで、篠原研究室では発想を変えて、めっき技術を応用して原子を積み上げることにより、ごく微細な部品を作りたいと考えています。現在は、その材料となる好ましい特性を持った様々な合金めっきの基礎的な研究を行っています。めっき技術は、以前は装飾または防錆分野での活用が主でしたが、現在は微細電子部品等の製造分野でも活用されており、卒業生は電子部品や精密機械メーカー等に就職しています。篠原直行准教授信州大学大学院工学系研究科を修了後、めっき被膜の層構造に及ぼす有機物の影響等について研究を続けてきている。現在は合金めっき技術の応用研究を行っている。めっき法を活⽤して低コストで微細な部品を⼤量に作製する研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード結晶電析・電解析出・微細部品の電鋳・合⾦めっき【先生の学問へのきっかけ】学部学生のときに、金属めっきの表面がごく少量の添加剤により劇的に変化することを目の当たりにしたこと。さらに、薄い金属膜を表面に作製することにより表面特性を有効に変化させられることを知ったことがきっかけとなった。•電位パルス電解法による傾斜組成を持つ伝席薄膜の作成•電流パルス電解法による各種合金薄膜の作成•電気めっき法の回路基板作成への応用電位パルス電解法により作成したAu-Sn合金電位めっき皮膜の表面熱処理後熱処理後13

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