工学部研究紹介2017|信州大学
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寺沢研究室研究から広がる未来卒業後の未来像外国語教育“英単語には顔があるRUNイコール「⾛る」ではない!” 研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード応⽤⾔語学・映画英語教育・映像論・認知意味論・コア(中核的意味)分析【先生の学問へのきっかけ】中学・高校生の頃は、映画や洋楽の英語の響きが耳に心地よく、それに浸っているだけで嬉しかったものです。最初は、銀幕のスター達やビートルズやクラプトンのようにカッコよく英語を操れたらという憧れだったように思います。大学院では故Louis Forsdale教授の映画分析の授業とその人柄に感銘を受け、その後、今日まで、映像やセリフに込められた製作者の意図を追及する中で、英語表現の面白さに魅了され続けています。■英語のリスニング・リーディング・ライティング・スピーキング習得の支援■英語教育の研究■映画英語教育の研究■英語習得のための教材開発●桐原書店と共同で楽しく学べる英語教材の開発●ベネッセコーポレーションと共同で英語辞書の作成●タイのマヒドン大学、インドネシアのウダヤナ大学との健康教育における共同研究支援●日本のISO健康教育システムの構築:アジア3か国への普及とネットワークの確立(基盤研究A) ・桐原書店英語教材開発委員・ベネッセコーポレーション英語辞書開発編集委員(E-Gate英和辞典をベースにしたA Multifunction English-ChineseDictionaryは本年、中国で第3刷を迎えました。)・長野地方最低賃金審議会委員・NPO法人長野ウェルネス大学委員英語教育を実践し、専門知識の習得に役立てていくことを目指しています。現在日本では、入社時にTOEIC、留学時にIELTS、TOEFL等の英語試験が要求される機会が多くあります。実際に海外に赴任し、英語を活用し、その環境に即座に適応していける能力も求められてきています。このような中で、英語技能をより楽しく習得し、学生さんの将来の活躍に役立ててほしいと願います。具体的には英単語の顔とでもいうべき全体像を捉え、例えばSEEとLOOKの違いは何かなど、英語基本語のコア(中核的意味)分析を試みています。他例ではRUNを「ある方向に、連続して(すばやくなめらかに)動く」と設定します。これが「小川」のコンテクストに入ると「流れる」、「靴下」では「伝線する」、「鼻」では「鼻がでる、垂れる」となります。「RUNイコール走る」と覚えていただけでは解釈できない英文を理解するのにコア分析は役立ち、辞書や教科書に採用され、英語を効果的に学ぶことができます。国際化が望まれる中、就職先の会社で必要な海外情報を元に製品を創ったり改良したりしていくことや、また海外に製品や情報を発信することが必要になってきます。英語を身につけておくことは必ず役に立ちます。海外から日本に赴任してきた外国人と英語でやりとりできれば、それは大変嬉しいことであり、また助け合うことで仕事上の大きな成果を導き出せるでしょう。!海外の人たちと会話したり、外国語の本を読んだり、音楽を聴いたり、文章を書いたりすることで世界が広がります。様々な文化の人と一緒に素晴らしい仕事ができ、お互いに学ぶところが多いものです。こんなことを想像しながら、楽しく英語習得ができれば最高ですね。「映像文学作品で人生を学ぶ」授業では、映像と英文シナリオを分析し、メッセージを読み解くことを目標にしています。心に残る映像作品を通して、皆さんの生き方や、「人間とは何か」という永遠の問について考え、なにか行き詰ることがあったりした場合は思い出してほしいと願っています。寺沢才紀教授信州大学教養部講師等、1995年工学部助教授を経て2007年より現職。研究分野は、基本語の意味空間の探究・応用言語学・映像論。様々な授業を展開している。LOOK, SEE, LISTEN< HEARそれぞれの語の中核的な意味をあらわすコア図。このイメージを押さえておくと英語の理解が早いこの日はゲストをお招きした130

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