工学部研究紹介2017|信州大学
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コンピューターシミュレーションにより、ドア開閉や人体移動が起こす空気流動について定量的な解明が可能李研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築空間内の居住者がより安全で快適な、ゆとりのある生活を可能とするためには、まず建物内外で起こるあらゆる状況を予測・評価し、その上で自然的に解決できない部分に関しては機械面で対応し建物を設計する必要があると考えています。李研究室では、建物内外で起こるあらゆる状況をコンピューターシミュレーションにより予測・評価しており、通風・換気効率評価、室内汚染物質濃度場予測、熱環境予測/評価、人体温熱快適、省エネ建築(断熱・改修,ZEB)、空調システムなどに関する様々な研究を行っています。住居・建築空間内外の居住者がより安全で快適な生活ができるような技術はエネルギーを多く使って地球環境を破壊する恐れがあり、地球環境を考慮した持続可能な実用化技術の開発が必要です。建築環境工学領域での研究をより深めて、居住者の快適性を損なわず、省エネルギーを達成させる技術開発及び最適設計などを通して、地球温暖化を防止するサステナブル建築(sustainablearchitecture)を目指しています。建築環境工学理論と原理などの理論的な知識・思考力を習得し、問題を見つけて解決する能力、独創力がある論理的な思考を持った人材を育成しています。卒業後は建築環境分野のみではなくどんな分野でも活躍が期待されます。李時桓助教東京大学工学系研究科建築学専攻博士課程修了。東京大学生産技術研究所特任研究員、東京理科大学工学部建築学科助教を経て、2016年より現職。研究分野は建物通風・室内換気・空調効率、建物内熱移動シミュレ-ションなど。喫煙室、トイレ等の汚染質発生を伴う空間では、ドア開閉や人体移動による空気流動が汚染質の漏洩につながり、汚染質の漏洩を効果的に抑制する換気対策が必要建築空間内の居住者がより安全で快適な⽣活を可能とする技術を提案する研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード空気環境・換気・通⾵・温熱環境・数値流体⼒学【先生の学問へのきっかけ】幼い頃に引っ越しが多くて、アパート、マンションなど色んな空間で住んで見たのが、建築に興味を持ったきっかけです。人は生活水準が良くなると、住みやすい空間、快適な住環境を目指して住居環境を変えようと思うので、快適な空間はどんなものなのか具体的に勉強したくて建築環境部門にハマりました。その後、自分の小さな考えが世の中を変化させ、世界平和に繋がって行くことだと思い、研究に頑張っています。•サステナブルビルディング、省エネルギー•既存住宅の断熱診断・改修技術•CFD解析による建物内外空気環境・熱環境の予測•人体温熱快適性・呼吸空気質の検討•新しい空調システムの開発•建物外部の風圧を考慮した都市温熱・空気環境解析•室内汚染問題の解明と換気(自然換気・強制換気・ハイブリッド)技術•室内・外圧力分布の予測のためのネットワークシミュレーション•火災・避難評価を用いた防災設備の検討•ウィンドキャッチャーによる通風性能向上に関する研究(風工学研究拠点共同研究)•通風気流予測における領域分割法を用いた住宅室内気流構造と体感冷却効果の解明(科研費基盤B)•まちづくり実践教室(私立大学教育研究活性化設備整備事業、東京理科大学)•健康改修住宅への改修手法とその効果・効能に関する調査(ベターリビング研究センターなどとの共同研究)•室内エアコンが人体快適性に及ぼす影響(LG電子との共同研究)空気調和・衛生工学会(給排水衛生設備委員会、大規模厨房設備設計検討小委員会)国際交流活動(国際学会参加、国際セミナー参加、海外ZEB見学)ボランティア活動(勉強会など)建築学科単位:[mm]室内廊下xyzドア人体(a) 1秒後(b) 3秒後(c) 5秒後(a) 2秒後(b) 4秒後(c) 9秒後(d) 12秒後‐ドア開閉による空気流動の数値解析結果‐‐人体移動による空気流動の数値解析結果‐SOLAR SHADINGMECHANICALCONSERVATORYVENTILATORSOLAR SHADINGLOUVERSCONTINUOUSLOUVERSWINDOWVENTILATORS124

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