工学部研究紹介2017|信州大学
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建築学科浅野研究室研究から広がる未来卒業後の未来像素材丸太から製材過程を経て住宅建設までの木材の流れ木質バイオマスの有効利用東日本大震災後、住宅のエネルギー状況は大きく変化しました。省エネルギー法が改正になり、住宅の断熱性能は今後大きく改善します。同時に木材の積極的利用が促進されています。国産材の需要を高めていくことは伐採時期を迎えた森林の整備に大きく貢献し、生物多様性の原点となる森林の成長を促すことにつながります。循環型社会を成熟させるために建築分野から廃棄物の排出削減とリサイクル材の活用を考えていくことが大切です。建築・住宅の設計から施工まで環境に配慮した手法とその実施が豊かな社会を持続させていくために必要です。その担い手として国民から強い期待が寄せられています。浅野良晴教授1979年東京工業大学大学院博士課程建築学専攻修了。1984年信州大学工学部建築工学科助教授を経て現在建築学科教授。寒冷地住宅の建て方、住宅のエネルギー需要の分析、木材の流通、建設廃棄物のリサイクルの研究を行っている。地球温暖化防止の観点から住宅における二酸化炭素の排出量削減を研究しています。寒冷地の住宅では外気に面する壁、屋根、床や開口部の断熱・気密が重要です。木材は炭素固定の源です。木材の利用促進のため、森林から住宅における木材の流通を調査しています。また住宅の建設時、解体時に発生する廃棄物のリサイクルを研究し、建設資材における資源循環を進めています。こうした調査・研究をもとに、環境負荷の少ない住宅生産の具体的提案を行っています。⽊造住宅の寒冷地対策と国産⽊材の流通に関する調査・研究112

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