工学部研究紹介2017|信州大学
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昆虫の羽ばたき飛翔の研究。チョウを模した非常に簡単な計算モデルを作り、その自由飛翔を調べている鈴⽊研究室コンピュータシミュレーションだけでなく、実際に羽ばたき機械を作製して、揚力や推力が得られることを確かめている研究から広がる未来機械システム⼯学科卒業後の未来像鈴木研究室では、身近にありながらまだよく分かっていない複雑な流れを、コンピュータシミュレーションによって解明する研究に取り組んでいます。近年、計算機のめざましい発達のおかげで、これまで調べることが難しかった複雑な流れを精度よく解析することができるようになってきました。特に、『格子ボルツマン法』と『埋め込み境界法』という二つの強力な計算手法を組み合わせることで、流れと物体が相互作用するような現象(身近な例では、木の葉がひらひら舞い落ちる現象や昆虫の羽ばたき飛翔)の研究を行っています。チョウやハエに代表される小型の昆虫による羽ばたき飛翔は、身近な現象でありながら未解明な部分が多くある現象です。もし、羽ばたきによって作り出される流れが解明され、どれほどの揚力が得られるかが分かるようになれば、羽ばたいて飛ぶ飛行機を作れるようになるかも知れません。当研究室では、機械力学の基礎である四力学のうち、特に熱力学と流体力学の専門的知識を身につけます。また、研究を通して、論理的に考え、説明し、文章にする能力や、プログラミングの技術を身につけます。こうして身につけた知識・能力・技術は、幅広い技術系職業に活かされます。『コンピュータシミュレーション』によって⾝近だけど複雑な流れの理解を⽬指す鈴木康祐助教京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了。2014年信州大学工学部助教に着任(現職)。埋め込み境界-格子ボルツマン法を用いた移動境界流れの数値計算、および昆虫の羽ばたき飛翔の研究に従事。研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード数値流体⼒学・格⼦ボルツマン法・埋め込み境界法・移動境界流れ・⽻ばたき⾶翔【先生の学問へのきっかけ】子供の頃から、パズルや知恵の輪、将棋といった「考える」ゲームが好きでした。その延長として、数学や物理といった、考えて理解することが最も重要な科目を好きになりました。流体力学を研究領域にしているのは、学生のときに学んだ多くの学問の中でも、研究分野や研究手法が多岐に渡っており、いつまで考えても飽きることのない学問だからです。•移動境界流れの数値計算法の開発•埋め込み境界–格子ボルツマン法を用いた移動境界流れの数値計算•羽ばたき飛翔の研究とその超小型飛翔体への応用•格子ボルツマン法を用いた熱流動解析•チョウの飛翔メカニズムの解明と超小型飛翔体への応用(科研費、若手B)※Sai+スペシャルNo.365より引用(URL:http://saiplus.jp/special/2016/03/365.php)104

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