工学部研究紹介2017|信州大学
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⼭崎研究室研究室には、等身大双腕ロボット、小型ヒューマノイド、車輪型ロボット、能動カメラ雲台などがある。左図は、双腕ロボットによる洗濯物たたみ行動の実験中。右図は、研究室のメンバ総出で屋外実験走行会に参加したときの記念写真センサ情報処理の例。左図は、無造作に置かれたシャツから適切なつまみ位置を検出した結果。これが「シャツである」と認識することもでき、ロボットによるたたみ動作などへの応用研究を進めている。右図は、災害環境での認識処理の結果。地面、木、移動体などを判別し、被災者の発見などに役立てる研究から広がる未来卒業後の未来像機械システム⼯学科我々が普段生活している日常環境、街中などの屋外環境、災害現場などの被破壊環境といった様々な場所で、自動機械への要望が高まっています。これらの環境は自動機械のために整備されたものではありません。それ故に、自動機械には周囲の事物や事象を的確に把握するための高度な認識能力が必要になります。また、有益な物体操作作業を行ったり目的地へ移動するといった行動能力が必要になります。私たちは、そのような認識能力、行動能力を向上することを主な目的とし、認識・操作に関する要素研究、機構の研究、それらの実証・応用研究を行っています。最近ではテレビやインターネットなどでロボットを目にすることが多くなりました。一方で、それらのロボットが本当に普段の生活で活躍しているかというと、その段階になる前に越えなければならない壁が多くあります。私たちは、ロボットに搭載する「知能システム」を一つのキーテクノロジーとして、環境認識能力や行動計画能力を研究し、その成果が将来、様々なロボットたちに搭載されることを期待しています。山崎研究室での研究は、ロボットを実際に動かしながら進められます。ハードウェア設計製作、プログラミング、実世界アプリケーションの構築理論など幅広い知識と技術が習得できます。進路としては、一般向け製品開発を行うエンジニアや、大学や研究所での研究者などが考えられます。山崎公俊助教長野県出身。筑波大学大学院博士課程修了後、東京大学特任助教・特任講師を経て、2012年より現職。ロボットを賢く動かすため自律知能に関する研究に従事。生活支援・災害対応ロボットの応用研究も行う。⾃動機械に賢さを与えよう!知能ロボティクスの要素研究と実⽤展開研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード知能ロボティクス・センサ情報処理・不定形物の認識と操作・⽣活⽀援ロボット・災害対応ロボット【先生の学問へのきっかけ】もともと「人々の生活で役立つ自動機械」に興味があり、ロボット分野の研究が盛んな大学へ進学しました。そして、ロボットを動かすための技術が身についてからは、人間の「賢さ」への興味が強くなりました。なぜなら、私たちが普段おこなっている何気ない行動が、実はロボットにとっては難しいということをよくよく理解したからです。修士課程を進むころには、「賢く動いて人々の役に立つ自動機械」を創ることが大きな目標になり、「知能ロボティクス」の分野を選ぶこととなりました。•作業自動化におけるロボットの視覚情報処理•作業自動化におけるロボットの行動計画・動作計画•布・紐・紙などの不定形物の状態認識と動作生成•車輪型ロボットの屋内外自律移動•災害環境における瓦礫等の状況認識•橋梁等のインフラ点検のための視覚情報処理•知能ロボットへの統計的機械学習・深層学習技術の適用•布製品の認識と操作(科研費(若手研究A))•単純構成ハンドによる器用な物体操作(科研費(挑戦的萌芽研究))•失敗検知・回復機能をもつロボットシステム(科研費(若手研究B))•布製品のモデル化と認識(科学技術振興機構さきがけ)•不定形物操作のための知能システム自動構築(NEDO次世代ロボット中核技術開発)•災害対応ロボットの補助視覚(内閣府ImPACT)•日常環境からの日用品の検出と種別(総務省SCOPE)•生活支援ロボットのための環境認識(企業との共同研究)•紐状物体のセンサレスマニピュレーション(企業との共同研究)•(共同実施者)マニピュレーションの高度化(NEDO次世代ロボット中核技術開発)•(研究分担者)橋梁点検ロボットの視覚(科研費(基盤研究B))•(研究分担者)レタス自動収穫装置の開発(農林水産省・地域戦略プロジェクト)日本機械学会ロボメカ部門英語力強化合宿実行委員長等(2011~2016)知能ロボットのデモンストレーション(まつもとものづくりフェア2015等)日本ロボット学会誌、AdvancedRobotics等の査読委員、論文賞選考委員IROS,MVA,ROBIO,ICAM等の国際学会におけるプログラム委員、AssociateEditor無造作に置かれた衣類の種別(Yシャツ・スカート・パーカー)農業ロボットの視覚の例キャベツ結球部の検出がれき環境での物体認識(深層学習の利用)可動構造を持つ家具のモデル化と認識103

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