工学部研究紹介2017|信州大学
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⻲⼭研究室研究から広がる未来卒業後の未来像機械システム⼯学科圧電セラミック素子を用いて発生させた波が構造物中を伝わる際の特性を利用して、構造物に生じた損傷を自動的に検出する亀山研究室では、軽量・柔軟な機械構造物の知的化(スマート化)による安全性や信頼性、環境適合性の向上に取り組んでいます。私たちの身の回りにある機械構造物は、さまざまな設計基準を満たすようにつくられていますが、近年、特に重要視されている設計基準として『安全性』『信頼性』『環境適合性』があります。『最適設計』『形状・振動制御』『ヘルスモニタリング』は、機械構造物の高性能化とともに安全性や信頼性、環境適合性の向上が同時に実現できる技術として、非常に期待されています。高性能化とともに安全性や信頼性、環境適合性の向上が求められる機械構造物として、例えば『航空機』があります。亀山研究室では、安全・安心でかつ環境に優しい革新的な航空機の実現に役立つ技術に関する基礎的研究を、数値シミュレーション・実験の両面から進めています。このような技術は、航空機のみならず多くの機械構造物に適用でき、将来の機械構造物の設計・開発において有用であると考えられます。主に自動車・輸送機器・電気機器メーカーに卒業生を輩出。研究活動を初めとした学生生活の中では、『自主性』と『物事を俯瞰的に見る力』を養うことを主眼においた指導を行っています。亀山正樹准教授東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻助教を経て、2010年4月より現職。研究・専門テーマは、空力弾性学、構造力学、最適化、等、主に知的複合材構造の最適設計。安全性・信頼性・環境適合性の向上を⽬的とした、機械構造物の知的化複数の設計基準を同時に考慮した場合の最適な構造を、コンピュータを利用して自動的に求める27.027.528.027.027.528.028.5 Pareto optimal solutionsNormalized fundamental frequencyNormalized compressive buckling loadxyz【先生の学問へのきっかけ】学生時代の指導教員との出逢いが、現在の職業や研究のきっかけです。もともとは人工知能、その後はレーシング・カーの周りを流れる空気の力学に興味がありました。卒業研究では、複合材料の力学という全く異なる分野を扱う研究室に配属されることとなりましたが、その結果、大学教員としての現在の自分があります。何事も『ご縁』と『タイミング』なんだな、と感じています。研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード構造⼒学・数値最適化に基づく設計/同定・繊維強化複合材料・圧電材料・制御•複合材構造の最適設計―曲げ・座屈・振動・減衰・熱・空力弾性、積層構成最適化、最小重量設計•圧電アクチュエータ・センサを用いた複合材構造の振動制御―受動的・準能動的・能動的制振、アクチュエータ・センサの最適配置•圧電素子による振動発電―フラッタ発電、発電用圧電素子の最適配置•複合材構造のヘルスモニタリング―ラム波伝播特性・振動特性を用いた健全性評価•数値最適化手法の工学応用―数理計画法、進化的アルゴリズム、RBFネットワーク、多目的最適化、など•多入力圧電繊維アクチュエータを用いたスマート複合材構造の損傷モニタリング(科学研究費補助金(若手研究(B)))•スマート複合材構造の効率的モード別振動計測・制御法の構築と航空宇宙構造への応用(科学研究費補助金(若手研究(B)))•圧電アクチュエータ・センサを用いた複合材スマート翼構造のフラッタ抑制法の研究(科学研究費補助金(若手研究(B)))一般社団法人日本機械学会設計工学・システム部門運営委員会委員一般社団法人日本複合材料学会代議員一般社団法人日本航空宇宙学会構造部門委員会委員最適化0.00.51.01.5-1.00.01.0Voltage [V]Time [s] Piezo voltage Vp Rectified voltage Vc0.8250.825 0.91.51.00.91.51211-1-111 1.00.60.5 0.82.0109-11-11 1.0複合材構造の積層構成最適化圧電素子を用いたフラッタ発電構造ヘルスモニタリング圧電素子を用いた振動制御0.01.02.03.0-2.0-1.00.01.02.0Tip displacement [mm]Time [s] Open-loop Closed-loop複合材料設計圧電材料同定制御98

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