農学部案内2016-2017|信州大学
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学生Voice●現在取り組んでいる研究テーマは?「タマゴタケの亜高山系統・低地系統の識別と栽培技術の開発」に取り組んでいます。タマゴタケはスーパーで出回っていませんが、外生菌根性のおいしいきのこです。卒業された先輩のテーマを引き継ぐ形で研究をしています。●将来の夢は?自分が大好きなきのこを通して、社会に貢献したいと考えています。●農学部の雰囲気を一言で表すと?四季を感じることができる自然に囲まれたキャンパスで、落ち着いた雰囲気だと思います。●後輩へのメッセージをお願いします。これほど自然との距離が近い大学はないです。信州の自然を友達と満喫する、あるいは一人でのんびり自然を散策することは、遊びだけでなく学業に対してもプラスな経験になっていると思います。信州という恵まれたフィールドで大学生活を全力で楽しんでほしいです。放線菌は抗生物質に代表されるさまざまな二次代謝産物を生産する有用な微生物群です。私たちは、放線菌が潜在能力(潜在的な二次代謝産物生産能力)を発揮する仕組みを解明し、医薬品開発につながるような有用化合物を数多く見つけ出すことに取り組んでいます。左の写真は、アカマツ林に発生した野生のマツタケ子実体、右の写真はin vitro(実験室的)に作出されたマツタケ-アカマツの菌根外観(上)とその断面図(下)です。私たちのマツタケ人工栽培化研究室では、人工シロ(マツタケ子実体が発生する土壌中のコロニー)の作出まで成功しています。ソバと漬物は信州の重要な地域資源です。私たちは、この二つを組み合わせたソバの漬物・発酵キョウバクを開発しました。発酵キョウバクは、高血圧治療に使われる薬剤・カプトプリルに匹敵する降圧作用を示しました。現在、我が国最大の生活習慣病である高血圧症を予防する機能性食品として、発酵キョウバクを実用化するための試験が進められています。アミノ酸の発酵生産法は世界に先駆けて我が国で発明された日本発の技術です。私たちは、アミノ酸発酵菌のゲノム情報を読み解き、発酵の全貌を科学的に解き明かしたいと思っています。有用な遺伝子変異を組み合わせると、生育が格段に速くなった画期的な生産菌が創成できることを見出しています。生命機能科学コース 旧 応用生命科学科10古平 美友紀さん 4年生研究紹介野生型放線菌改造型放線菌青色抗生物質を生産する能力が眠ったままの状態潜在能力が目覚めて青色抗生物質を生産できるようになった状態

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