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信大キャンパスの樹上田キャンパスヒマラヤスギ文・写真/岡野 哲郎No.23上田キャンパス30信大NOW No.90 2015.3.31 掲載此処に立ち星霜を重ね、ヒマラヤスギ何を想う。ヒマラヤスギはマツ科の常緑針葉樹。原産地はヒマラヤ西部~アフガニスタンで、日本には明治初めに導入された。高さ25m、幹直径1mほどになる高木であるが、原産地では高さ50mにも達するものもあるという。成長は比較的速く、円錐形の樹冠をつくり、その美しい樹形ゆえに世界三大庭園樹の一つに数えられている。材は建築・土木用に利用できるが、我が国では庭木や街路樹として植栽される。特に学校の緑化樹として代表的な樹種で、信州大学の全キャンパスはもちろん、旧制松本高校の庭にも大木を見る。枝には長枝と短枝とがあり、針状の剛直な葉が付き、短枝には多数の葉が束生する。このような枝や葉の付け方は、落葉針葉樹であるカラマツと同じである。何よりも目立つのは球果(松ぼっくり)で、長さは10cmを越える大型。夏が終わろうかという頃、薄緑色の大きな球果を沢山枝先につけている様は見事である。上田キャンパスの事務棟前に、ヒマラヤスギが枝を大きく広げ立っている。この大木は昭和天皇が大正8年(1919年)の行啓の時にお手植えになったもので、樹齢はほどなく100年に達する。ちなみに来年、長野県において全国植樹祭が開催される。これを機会に、樹や森の大切さを再確認したいものだ。緑豊かな信大キャンパスは開かれた緑地として、教職員、学生のみならず、一般の方々にも末永く愛され続けることを願う。開花した雌花は翌年の秋に熟し、大型の球果から沢山の種子を飛散させる。熟す前は綺麗な薄緑色を呈する。ヒマラヤスギ(Cedrus deodara Loud.、別名ヒマラヤシーダー)樹高18.0m、幹の胸高周囲298.0cm。事務棟講堂応用化学・材料化学工学棟

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