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信大キャンパスの樹長野(教育)キャンパスカシワ文・写真/岡野 哲郎No.15長野(教育)キャンパス22信大NOW No.84 2013.11.29 掲載炊ぐ葉は大きくて丈夫、その豊満な形に惚れる。カシワはブナ科コナラ属の落葉高木で、北海道から九州に、海外では南千島、ウスリー、中国、朝鮮半島、台湾に分布する。樹高15m、直径60cmほどになり、大きいものでは樹高30mにも達する。やせ地や礫地、海岸などの比較的乾燥しやすい土地に生育するのをよく見る。長野(教育)キャンパスの泉会館前のカシワは、植栽された幼木であるが、すでに球形のドングリをつける。花は雄花と雌花とがあり、雄花は小さな花を房状に沢山着けたもので、春に垂れ下がる。受粉した雌花は成長しドングリとなり、線形の鱗片を密に纏った殻斗に包まれている。ドングリはデンプンを貯め込んでいて、野生動物のご馳走の一つ。葉は大型で長さ10~30cmほど。縁は大きな丸い歯牙状となっていて、同じ仲間のコナラやミズナラなどと区別しやすい。おなじみ「かしわ餅」を包むのはまさにカシワの葉で、信州産の葉は上物とされる。厚手でしっかりとした葉はかしわ餅に限らず、その昔、食べ物を盛る食器として使われたことが、古くから多くの書物に記されていて、カシワという名は炊き葉、ケシキハ(食敷葉)によるとされる。秋に枯れ葉となるが、多くは翌春まで枝に残存し、開芽とともに落葉することから、ユズリハとともに縁起の良い樹木として武家の庭によく植えられた。知を継承していく大学、こと教育者を育てるキャンパスに相応しい樹木ではあるまいか。葉縁に円形の歯牙が目立つ。厚めの大きな丈夫な葉で、裏面には短い毛が密生する。カシワ(Quercus dentata Thunb.)樹高7m、幹の胸高周囲26cm。第1体育館第1体育館福利厚生施設(泉会館)福利厚生施設(泉会館)図書館図書館附属教育実践総合センター附属教育実践総合センター正 門

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