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信大キャンパスの樹長野(工学)キャンパスケヤキ文・写真/岡野 哲郎No.03長野(工学)キャンパス10信大NOW No.72 2011.11.30 掲載象の足のような太い幹、樹皮に生き様を刻む。ケヤキはニレ科の落葉高木。北海道を除く我が国の山野に広く分布する。樹形は美しく枝を扇状に広げる。神社や公園、街路に植栽され、樹高30m以上の大木も珍しくない。材は大黒柱などの建材、家具、建具から漆器の木地と利用用途はすこぶる多様。ケヤキは、日本人にとって最も身近な樹木の一つと言える。長野(工学)キャンパスでは正門横から表通りに面してケヤキ並木が続いている。春には新緑、秋には黄葉が美しい。大学構内のみならず、緑陰を提供する街路樹として街の景観向上にも一役買っている。植物の観察といえば、まず花や葉、果実に注目す街路樹としても機能するケヤキ並木。夏は緑陰を、秋は黄葉を提供する。豊かな景観づくりも地域貢献の一つであろう。ケヤキ(Zelkova serrata Makino)樹高17.2m、幹の胸高周囲249cm。るのが一般的だが、樹木の場合は樹皮にも注目してほしい。樹木の成長は樹高が高くなるとともに幹を太らせる。樹皮は幹が太ることによって表面が割れ、さらには剥落する。この剥がれ方は樹木の種類によって異なり、ケヤキは小さな円形に近い鱗状に剥がれ落ちる。このため独特な紋様が幹に描かれるのである。ちなみにスギやヒノキは縦に割れ、シラカンバは横に割れて剥落していくといった具合である。樹皮にも木々の個性が表れるのだ。工学部キャンパスのケヤキの大木に近づき、その幹を眺めていたら、幼い日に動物園で初めて見て驚いた、あの巨大な象の足を思い出した。SASTecSASTec国際科学イノベーションセンター国際科学イノベーションセンター正 門

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