理工系学部研究紹介2016|信州大学
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化学・材料系英(はなぶさ)研究室研究から広がる未来卒業後の未来像素材Material繊維学部英謙二教授大阪大学卒業、同大学院修了、信州大学教務員、助手、助教授を経て、1999年より現職。2002年;繊維学会賞受賞2011年;高分子学会三菱化学賞受賞2013年;日本化学会学術賞受加えるだけで固体物にゲル化剤の分⼦を設計図1ゲル化剤によるゲルの形成過程;ゲル化剤と溶媒(左)を混ぜ、加熱して溶かす(中)。それを冷やすとゲル化する(右)図2ポリシロキサン型ゲル化剤を使って試作した新しいアイシャドウ(S社提供)図3低分子ゲル化剤を利用してK社より商品化予定の口紅有機溶剤や水に加えるだけでゲル化や増粘化を惹き起こす、低分子化合物やポリマーの開発やその応用について研究しています。ゲル化剤や増粘剤として作用する化合物を構成する成分をもとに分類し、ゲルや増粘体を形成する原動力や機構を調べています。また、化粧品などへの応用を研究しています。具体的な研究テーマ;アミノ酸系オイルゲル化剤、2成分型オイルゲル化剤、環状ジペプチド誘導体のオイルゲル化剤、シクロヘキサン誘導体のオイルゲル化剤、重合官能基を有するオイルゲル化剤、ポリマー型ゲル化剤の開発、増粘剤の開発、ヒドロゲル化剤の開発、ゲル化剤・増粘剤の応用。ゲル化剤に関する研究は基礎研究として興味深いだけでなく、工業的応用(化粧品、ゲル電解質、コーティング材、表示素子、液晶ゲル、インクジェットインク、印刷用紙、皮膚外用組成物、ゾル・ゲル重合の鋳型など)でも大きな可能性を秘めています。WebofScienceで検索したゲル化剤に関する過去20年間の私たちの論文数は254です。また、平均被引用数は31.34、h-indexは51です。化学系会社、電気系会社、化粧品会社、公務員などに就職。私たちの研究室では日々、研究に没頭するため、自然に実力が身についていきます。卒業生の研究室で培ったその実力は、様々な分野の企業に好感をもって評価されています。⼯学部電気電⼦⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像素材MaterialSysteminPackageのパワーデリバリでは、複数のDC-DCコンバータをパッケージ内に分散配置する必要があり、現在、パワーインダクタのパッケージ内蔵とCMOSスイッチを組み合わせたDC-DCコンバータのパッケージ集積化に取り組んでいる有機インターポーザ内蔵パワーインダクタのフェライト磁性薄膜作製法の成果で第11回国際フェライト会議(2013年4月)NewProduct&NovelTechnologyAwardを受賞した佐藤研究室佐藤敏郎教授(株)東芝総合研究所(現、研究開発センター)研究主務、半導体事業本部LSI技術部主査を経て、1996年9月信州大学工学部助教授。2005年4月より現職。研究分野は高周波磁性材料・センサ・デバイス、マイクロ電源など。パッケージレベルDCパワーグリッドによる電⼦機器の低消費電⼒化を⽬指して世界中を飛びかう情報量が爆発的に増加し、スマホやパソコン、データセンターなど情報通信システムの消費電力量は増大の一途を辿っています。一方、東日本大震災に伴う原発事故以来、再生可能エネルギーの利用促進と共に、電力・エネルギーの有効活用(省エネ・節電)が急務となっています。電力・エネルギーの有効活用を図るには、材料・デバイス・ICTなど多様な分野の結集が必要であり、積極的に異分野連携を推進していきます。研究室では、逆境に果敢に挑む強い精神力とそれを支える体力・学力を身に付けるため、学生諸君は日夜努力しており、卒業生・修了生は大手電機メーカー、電子部品メーカー、電力、鉄道、研究機関など幅広い分野で活躍しています。先端磁気デバイス研究室では、曽根原誠准教授と共同で、磁性材料・デバイス・センサ技術をベースに電子機器の低消費電力化を目指したグリーンテクノロジーの研究開発を推進しています。例えば、複数のLSIやセンサなどの異種デバイスをパッケージに集積したSysteminPackageのパワーデリバリとして、電源回路をパッケージ内に分散配置し、これらを統合的に管理することで全体の消費電力を低減しようとするパッケージレベルDCパワーグリッドの実現を目指し、民間企業、東京工業大学、東京大学と共同で研究しています。最新情報は、http://amdl.shinshu-u.ac.jpをご覧下さい。33

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