理工系学部研究紹介2016|信州大学
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機械システム⼯学科⼯学部素材Material中⼭研究室中山研究室で開発した「常温圧縮せん断法」で成形したチタン材は従来のチタン圧延材と比べると3倍の強度になることがわかった中山研究室で開発した柔軟であり荷重の大きさや方向を検知できる新しいセンサ(右側)とセンサを多数設置した車いす(左側)3 倍中山昇准教授秋田県立大学助手を経て、2007年より現職。研究分野は、塑性加工、非破壊検査。医学分野、福祉分野に利⽤できる材料開発やセンサの開発研究から広がる未来卒業後の未来像中山研究室では、塑性加工を利用しながら、医学分野と工学分野の連携(医工連携)を中心として新しい材料の開発とセンサの開発や研究を進めています。例えば、今後は介護・福祉分野では介護ロボットが必要となると考えられますが、現在のロボットは金属やプラスチックで覆われているため、要介護者と接触すると危険です。そこで、介護ロボットや介護機器の表面に設置することができ、荷重の大きさや、荷重の方向を検知できる柔らかいセンサを開発しました。他にも、企業と共同で医療分野や自動車分野に利用できる新しい機能性材料の開発も行っています。中山研究室では、新しいセンサの開発や高強度な材料や機能性材料の開発を行っています。新しいセンサは介護機器にも使用できますが、コントローラーや感性工学にも利用できます。さらに開発した高強度な材料を自動車分野や航空・宇宙分野へ適用することも考えられます。また人工衛星の設計・開発も行っており、2014年2月28日にH2Aロケットで人工衛星を打ち上げました。目的を持って研究開発を行い、国内・海外での学会発表を行うような研究生活を送っていますので、あらゆる分野で力を発揮し、活躍しています。特に、中山研究室の卒業生は自動車関連や製造・加工関連で活躍しています。世界の人口増加に見合う食料増産が必要ですが、持続的生産のためには石油やリン鉱石(リン酸肥料の原料)等の有限資源の使用削減が必須です。また、不良環境での生産向上も必須です。今の時代の人だけでなく、未来の人も食べていけるような農業への変革が求められています。未来のあるべき農業は生態系と生物機能をより巧みに利用した高度な資源循環システムでしょう。このようなシステムに一歩でも近づいていくため、有機肥料、土壌の乾燥や過湿といった栽培条件での土と作物との相互作用に注目して作物生産の向上・安定を目指しています。生産現場を支援する都道府県農業改良普及センター職員やJA職員として活躍できます。また、国家・地方公務員の行政職や技術職の立場で農産業の発展に貢献することもできます。種苗や農業関連資材・機材の生産販売を行う企業、食品メーカーでも卒業生が多く活躍しています。萩原素之教授石川県農業短期大学助手、信州大学農学部助手、同助教授を経て、2003年11月から現職。食料生産の向上・安定のため、低投入条件や不良環境下での作物の生育と収量の改善策を探る。品種(遺伝⼦)だけで勝負は決まらない作物の才能を発揮させるproducer:作物学実験風景:作物の生育状況の調査、根が吸収した窒素の化学分析による定量、光合成測定などを行う電子顕微鏡レベルから生産現場まで大学内での研究だけでなく、現場に出かけることも(農家水田でのイネの収量調査の合間に「農魂」にふれる)過湿条件でのダイズの発芽試験希少なモチ米品種「白毛餅」の栽培実験ダイズ種子の電子顕微鏡観察ソバの葉温の放射温度計による測定萩原研究室研究から広がる未来卒業後の未来像素材Material農学部農学⽣命科学科植物資源科学コース主にイネ、ダイズ、ソバについて、作物の収量と品質の向上のための栽培技術の改良や開発を行う分野である作物学の研究を行っています。品種改良がAKB48の新メンバーだとすれば、栽培技術の研究は秋元康、つまりタレント(品種)のプロデューサーに相当し、タレント(品種)がもつ魅力(能力)を理解し、引き出して人気(収量・品質)を高める、どんなキャラのタレントが売れるのか(どんな特性を持った品種が必要なのか)提案するといった役割を果たします。現在、コシヒカリの有機肥料による栽培、飼料イネの多収栽培、ダイズ栽培における有機肥料の合理的利用法、過湿条件でも発芽良好なダイズ品種の選抜法、ソバの葉温測定による土壌水分管理の最適化などのテーマで研究しています。32

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