理工系学部研究紹介2016|信州大学
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めっき法によって作製したディスプレイ材料の電子顕微鏡写真。各パターンの表面にはカーボンナノチューブが固定されている写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cmカーボンナノチューブ表面に形成されたパラジウム触媒ナノ粒子。無電解めっき法と呼ばれるめっき手法によって形成写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cmPd (111)5 nm物質⼯学科新井研究室研究から広がる未来卒業後の未来像新井進教授長野県技術系研究員等を経て、2011年より現職。専門分野は電気化学、分析化学。「鉛フリーはんだめっき」や「カーボンナノチューブ複合めっき」等、めっき技術の研究に従事。『ナノ材料』から『電池材料』まで。めっきによる次世代機能性材料の開発⼯学部素材Material素材Material農学部新井研究室では電気化学的手法、特に“めっき”による機能性材料の開発に取り組んでいます。“めっき”は現在、パソコン、携帯電話、スマートフォンをはじめとするすべての電子・半導体機器に不可欠なテクノロジーであり、ナノ材料や電池材料等の作製法としても期待されています。研究室ではカーボンナノチューブ(CNT)用いた「金属/CNT複合膜」や「ナノ金属粒子修飾CNT」等の材料を“めっき”により作製し、それらのリチウムイオン電池材料、燃料電池材料、ディスプレイ材料、耐摩耗材料、高熱伝導材料等への応用を検討しています。新井研究室では、めっき技術の可能性を追求しています。めっきはマイクロ・ナノサイズの金属材料作製法であり、様々なナノ金属材料や金属複合材料の開発が期待できます。再生可能エネルギーの実用化に不可欠な二次電池の電極材料、省電力・高画質ディスプレイ用材料、摩耗の少ないコーティング材料、放熱性に優れる材料等、新規機能性材料を提案し企業との共同研究により実用化を目指します。めっき技術はめっき専門企業だけでなく、エレクトロニクス関連企業全般で重宝されています。そのため、卒業後は化学系メーカーだけでなく、家電メーカー、電子部品メーカー等への就職が多いのが特徴です。山田研究室では、マツタケをはじめとする菌根性きのこ類の生態解明と、その応用である栽培化に関する研究に取り組んでいます。菌根性きのこ類は培養が難しく、殆どの種では未だ人工栽培化に成功していません。また、生態が不明であったり、未発見の種も多いと考えられています。山田研究室では、広く国内・海外を対象に山野を駆け回り、野生きのこ類を収集しています。そして、分類や生態解明といった基礎的研究をベースに有望なきのこ類を見出し、植物との共培養を通じて子実体を形成させる人工栽培化技術を開発することを目指しています。山田明義准教授学位取得後、林業研究機関でのポスドクを経て、1999年11月より信州大学農学部。難培養性きのこ類の培養系確立、菌根の構造と機能の関係解明、きのこ類の進化と生態系における役割の解明、人類のきのこ食文化に関心がある。野外調査で収集したマツタケの子実体マツタケ培養株とアカマツ実生との共培養きのこと植物の共⽣現象:菌根性きのこ類の基礎科学と⼈⼯栽培⼭⽥研究室研究から広がる未来卒業後の未来像農学⽣命科学科⽣命機能科学コースマツタケやトリュフを自在に操り、それらの商業的な人工栽培が可能になると、人々のきのこに対する認識や食文化は大きく変革するはずです。研究室では、これを単なる純粋培養系で達成させるのではなく、自然界の摂理に沿った樹木との共生体として利用していく道筋をつけたいと考え、調査・実験を進めています。また、きのこ類は自然界における物質循環で大きな役割を果たすことから、地球環境に関わるCO2問題、環境放射能問題、資源循環型社会の創出などにも関わりを見出す事が出来ます。きのこという小さな研究対象を通じて、現代と未来の社会を開拓していける人材の育成を理想に掲げています。微生物の探索、培養、遺伝子解析といった実験操作技術が身に付きます。また、森林や山野を安全に調査できる幅広い技術についても学ぶ事ができます。さらに、長野県の代表的な地場産業であるきのこ栽培産業に関わる最新情報を踏まえて、関連産業へ就職する際に役立てる事ができます。28

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