理工系学部研究紹介2016|信州大学
23/44

機械・ロボット学系研究から広がる未来卒業後の未来像⼩⻄研究室エネルギーEnergy繊維学部小西哉教授北海道大学応用電気研究所助手、北海道立工業技術センター研究員を経て1989年より信州大学繊維学部に。主な研究分野は超伝導、マイクロマシン、新エネルギー等の電子工学。さよならガソリン!こんにちは「太陽電池+燃料電池」サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cm学生が設計・製作しているソーラーカー。レースで優勝経験もある。この技術を学んだ多くの卒業生が社会で活躍している学生も燃料電池開発に積極的に参加。専門知識を深めているサイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦22.2cmバイオマスで燃料電池を動かすエコロジカルな研究も進行中サイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横14.9cm、縦22.2cmエコカーの代表格として人気のハイブリッドカー。現在はガソリンを動力源とした内燃機関とモータのハイブリッドが主流ですが、化石燃料がいつの日か枯渇するのは確実で、新たなシステムの開発が急務です。こうした中、小西研究室で行っているのが、化石燃料を全く使用しない太陽電池と燃料電池によるハイブリッドシステムの開発です。研究室のメンバーが中心となって国内のソーラーカーレースにも参戦し、好成績を収めています。このシステムが実用化されれば、化石燃料の消費が抑えられ、地球環境が今まで以上にクリーンになるのです。ソーラーカーレースには、車体作りの段階から開発を行い参加しています。経験を生かして自動車業界に進む学生がたくさんいます。エネルギー関連分野は注目を集めており、卒業後の進路はどんどん広がっています。自動車に乗せる動力源として新エネルギーを研究する場合、よりコンパクトに、より高効率にすることが求められます。太陽エネルギーや水素エネルギーの分野では、高効率化は非常に重要で、研究室での成果が自動車以外の分野へ転用されることも大いに考えられます。例えば家庭における自家発電などはすでに商品化されています。研究開発が進めば、より効率よくエネルギーを生み出すことができます。環境機能⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像浅速流で発電する下掛けタイプの衝動水車。水車は橋からぶらさげた2本の支柱で支えている。得られた電気は水路脇の民家で利用湧水で発電する滝水車(左)と、温泉水によるジェット水流で発電するジェット水車(右)。それぞれ電気柵と衛星電話の電源に利用飯尾研究室飯尾昭一郎准教授宮崎大学博士後期課程修了後、信州大学工学部助手、同助教を経て、2011年より現職。主な研究分野として、流体力学を基礎とした環境にやさしい小型水力発電、流れの省エネルギー制御・可視化に取り組んでいる。『Eco⽔⾞』〜流れに置くだけの⽔⼒発電純国産最大の再生可能エネルギーである『水力』。水力発電と言えば山奥にダムを建設する大規模発電所の印象がありますが、これからの水力発電は小規模分散型。それを実現するのが、飯尾研究室で行っている自然環境にやさしい『Eco(エコ)水車』です。身近な水路の『流れに置くだけ』で発電し、水力の地産地消が可能です。総延長40万kmにもなる日本の農業用水路を流れる水力エネルギーの活用を目指しています。全発電方式の中でライフサイクルCO2排出量が最も少ない小規模水力発電は、地球温暖化防止の観点からも注目を集めています。Eco水車開発では、室内基礎実験から実際の水路でのフィールドテスト、実用化まで広範囲に実施しています。水路の形態によって異なる水流状況にあわせて数種類の水車を開発しています。高性能かつ低コストの水車発電機の実現を目指し、人工河川での性能評価実験やコンピュータシミュレーションによる水車形状の最適化などを行っています。学生たちにとって、自ら手掛けた水車が実用化される喜びは大きいようです。これまでの卒業生は、水力発電機器、自動車、プラント、ポンプ、空気圧機器、空調設備、工作機械等の機械関連業界に就職し、設計や商品企画、研究開発などの『ものづくり』担当のエンジニアとして国内外で幅広く活躍しています。⼯学部エネルギーEnergy21

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です