理工系学部研究紹介2016|信州大学
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理学部齋藤研究室⾃然・⽣命Nature理学科地球学コース研究から広がる未来卒業後の未来像齋藤武士准教授2004年京都大学大学院修了、博士(人間・環境学)。JSPS特別研究員等を経て、2008年より信州大学。専門は岩石磁気学、火山学。2014年秋から活発に噴煙を上げている九州、阿蘇火山の中岳第1火口。噴火の様子を間近で観察することは、火山研究の醍醐味の一つです。北アルプス焼岳山頂の噴気観測。現在は静穏な焼岳ですが、今後の変化に注目して継続的な観測を行っています。私は火山を研究しています。火山に出かけていって溶岩を採ってきたり、火口で温度を測ったりしています。そうして測ったデータや、採ってきた試料を分析することで、昔そこでどんな噴火があったのか、現在どんな活動が起きているのかを探っています。火山は私たちの住んでいる地球の表面と内部をつなぐドアのようなものです。火山を研究することで、地球の中で今どんなことが起きているのか、かつてどんなことが起きたのかを知ることが出来ます。また地球の歴史や、今後地球がどうなっていくのかについても重要な示唆を与えてくれます。系外惑星が観測されるようになった現在でも、生命が確認されているのは地球だけです。生命が存在するには液体の水が不可欠だと考えられていますが、原始的な生物は海嶺周辺の熱水噴出孔に生息しており、火山活動も大きな役割を果たしていたようです。熱いマグマと冷たい水の絶妙なバランスが大事だったのかもしれません。火山の研究から、地球外生命やハビタブルプラネットの探索につながって行くかもしれません。当研究室では学生の主体性を特に大事にしています。研究活動を通じて考える習慣と科学的な思考方法について、自分なりのやり方を掴めるように指導しており、それは卒業後も多いに役立つと考えています。最近の進路は、他大学の大学院への進学、地質コンサルタント、気象庁、教員、公務員などです。⽕⼭からのぞく、この地球の現在・過去・未来ほし20

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