理工系学部研究紹介2016|信州大学
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理学部島野研究室⾃然・⽣命Nature理学科物質循環学コース研究から広がる未来卒業後の未来像⾃然環境を知る。⾃然環境を護る。島野光司准教授千葉大学大学院にて博士号を取得後、横浜国立大学、電力中央研究所、国士舘大学非常勤講師等を経て、2002年に信州大学助教授。専門は植物生態だが植物と動物の関係にも興味がある。信州の豊富なフィールドで実習、調査、研究ができるのが信州大学の強み。学部生の研究が出版される研究になることも地域の植物がどのような動物に利用されているかを知ることも生態系を知る上で重要。コオニユリを吸蜜するミヤマカラスアゲハこれまで人間は自然を利用し、文明を発展させてきました。しかしその一方で、過度な自然の利用などで、自然を壊しつつあるという側面もあります。人間が自然とうまく付き合っていくには自然環境仕組みを知る必要があります。物質循環学コースでは、地球が、自然がどのように成り立っているかを明らかにする研究を行っています。こうした中で、植生・生態研究室では、森林や草原、湿原などの植物がどのように生活しているのか、更にそうした植物たちが、どのような動物たちを養っているのかといったことを明らかにし、自然の摂理とその守り方を追求しています。日本人は、古来より自然とともに、自然に生かされながら生活をしてきました。我々を取りまく自然の成り立ちの仕組みを知っていけば、人は自然とうまく付き合っていくことが可能でしょう。植物の生き方を明らかにし、それを利用する動物の生態を明らかにしていけば、地域の生態系の仕組みを知ることができます。自然を、地球をまもるためにはその成り立ちを知ることが第一歩なのです。卒業生の中には、大学での学びを活かした専門職についた人も多くいる一方、一見、大学で学んだこととは関係ない職業についた人もいます。しかし、大学で学ぶということは、人とのかかわり方、問題の発見・解決能力、幅広い教養などを身につけることでもあります。そうした能力は、社会に出て、どのような場面でも生かされます。理学部⼄部研究室⾃然・⽣命Nature数学科⾃然情報学コース研究から広がる未来卒業後の未来像確率現象の数学的把握-純粋数学から応⽤まで乙部厳己准教授東京大学教養学部卒、大学院数理科学研究科博士課程修了。博士(数理科学)。専門は確率解析学、無限次元解析学、力学系、数理物理学。三角格子上で隣り合った点が確率0.5でつながる様子。この現象の考察は近年フィールズ賞受賞者を連続で輩出した現在価格20,000円としたときの日経平均株価の1年間の価格変動を伊藤方程式の解としてシミュレーションしたもの日常でも多く体感する確率現象を数学として扱うことができるようになったのは20世紀前半のことです。今ひとつ把握しづらい確率現象を数学として捉えるには、妥協のない厳密な推論と現象への直観の両方を必要としますが、その反映として究極の純粋数学的な側面を持つと同時に、応用への限りない数学的道具も提供し、20世紀において最も成功した数学理論となりました。特に日本国内では確率の純粋数学化への貢献が多くなされており、基礎定理の多くには日本人の名が冠せられています。その伝統を引き継いだ研究を行なっています。伊藤清の創始による確率解析学は、偏微分方程式論や関数解析学と特に密接な関わりをもって発展してきました。さらに微分幾何学とも深いつながりをもっていることも分かっています。また統計力学や量子場の理論とは不可分な関係があり、広範な領域が交叉する魅力あふれる分野です。同時に自然界や社会における様々な現象をモデル化して解析するために現代では避けて通れない道具となっており、純粋数学から人文・社会科学まで統一した視点のもとで考察することができるようになります。数学における厳密な論証力と数学的直観力の両方を十分に身につけた学生たちは、優れた教員や高度技術者となっていきます。また、アクチュアリー(保険数理士)を目指したり、金融機関に就職したりする学生もいます。260002400022000200001800016000140000 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 114

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