工学部研究紹介2016|信州大学
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藤縄研究室研究から広がる未来地球にやさしいエネルギー!地下⽔を利⽤した次世代型ヒートポンプシステムの研究開発研究支援部門研究⽀援(特任教授)我が国に広く賦存している地下水資源は、有望な熱エネルギー資源でもあります。旧藤縄研究室では、地下水の基礎研究・室内実験などを経て、H22~H25年度に(独)新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の委託を受け、「次世代型ヒートポンプシステムの研究開発」を実施し、地下水制御型高効率ヒートポンプ空調システムを工学部講義棟へ導入しました。H26~H27年度は、農水省予算の「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業」の採択を受け、安曇野市で実証試験「施設園芸栽培作物の低コスト・高品質・周年安定供給技術の確立」を実施しています。藤縄克之特任教授農学博士(京都大学)。科技庁客員研究員(デルフト工科大学)を経て1989年に信州大学教授に就任。2014年から現職。専門は地水環境工学。深刻化する温暖化を防ぐため、地球環境にやさしい持続可能エネルギーの開発と活用が求められています。近年、地下水を熱源として利用する「次世代型ヒートポンプシステム」が脚光を浴びてきており、建築物の空調のみならず、施設園芸用ハウスなどの温度制御への応用も進められています。このような新技術が内外で普及していけば、温暖化対策の強力な手段になると考えられます。地下水を熱源として冷暖房などに効率的に利用するためには、地下水の流れや地中の熱移動を定量的に評価し、その結果をシステムの設計に生かす必要があります。大学では、このような新技術に係る基礎研究から応用研究まで幅広い研究が行われています。次世代型ヒートポンプシステムの研究開発のために講義棟に備え付けられたモニターシステムサイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cm地下水を熱源とした局所温度制御温システムを導入した施設園芸ハウスとイチゴ(信大BS8-9)の栽培状況サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cm松澤研究室研究から広がる未来食品製造プラントでの地元特産農産物のブナシメジを利用したきのこカレー(レトルトパウチ食品)の製造実習長野県特産農畜産物を素材に、工学部のバイテク技術、プロセス技術を駆使し商品化した「ながのブランド郷土食推奨品」認定商品近年、地域食品企業は、OEM生産依存によるブランド力不足や、少子高齢化や健康志向による食の多様化に伴う技術開発力不足など、幾つかの課題を抱え、地域食品産業界からの人材養成が強く望まれていました。こうした状況を背景に、信州大学工学部はその特色を生かし、長野市と連携し、地域食品製造分野での技術革新を担う人材の創出による地域経済の活性化と発展をめざした「ながのブランド郷土食」人材養成プログラムに取り組んでいます。本プログラムは、地域食品企業の技術者を対象とした社会人スキルアップコースと大学院食品科学コースで構成されています。本プログラムのカリキュラムは、食品バイテク、食品プロセス、食品科学、フードマーケティングなど社会人と大学院生共通の実践的カリキュラムが特徴です。また、共通カリキュラム以外の実践的カリキュラムとして、社会人には、信州大学のシーズを活用し、地元農畜産物を素材に機能性を付与した新製品開発などをテーマとした課題研究が課されています。この様な新製品の商品化を後押しするため、大学の商標と本プログラムのロゴマークを使用できる「ながのブランド郷土食推奨品」認定制度を設けています。既に、課題研究や農産加工実習から誕生した同認定商品が発売され、地域経済の活性化と発展に貢献しています。今後は、6次産業化をめざす1次産業者の人材養成も図っていくことで、新鮮で生産履歴も確かな地元農畜産物を活用した健康長寿にも寄与できる高付加価値食品の開発も期待でき、更なる地域貢献をめざします。松澤恒友特任教授(株)ロッテ、(社)長野県食品衛生協会試験研究所、(社)長野県農村工業研究所を経て、2008年信州大学工学部教授、2012年より現職。専門は長野県特産農畜産物の高付加価値化と商品化に関する研究。⾷品産業分野での技術⾰新を担う⼈材創出により、地域貢献をめざす!研究支援部門研究⽀援(特任教授)信大きのこカレー・ハヤシまるごとりんごジャム信州発えのきヨーグルト72

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