工学部研究紹介2016|信州大学
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環境機能⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像高温蒸気タービンロータ材切欠部に生じたクリープクラックおよび有限要素解析による平均応力成分の分布(等高線)状況蒸気タービンブレード材表面に生じたつぼ形孔食の横断面SEM像0.5mm0.2mmX線光電子分光法(XPS)による材料表面の形成皮膜分析。皮膜の形成特性を調査して材料の耐食性評価を行う⽜(にゅう)研究室脱原発の世論が強まってきた今、地熱などの自然エネルギーを用いる発電の導入や拡大が必要です。化石燃料を用いる火力発電に対してもなお一層の熱効率の向上による燃料使用量の低減、環境負荷の軽減および安全性・信頼性などが求められています。牛研究室では、地熱および火力発電プラント蒸気タービン材料やボイラ機器材料の各種腐食破壊機構を解明し、材料の耐食性向上に関する研究を行っています。また、火力発電プラント高圧蒸気タービン材料について、高温・長期間の過酷な環境における耐久性向上のための微細組織化やクリープ強度に関する研究も行っています。現在、将来とも文明を支えるもっとも重要な構造材料は金属材料です。牛研究室では、鉄鋼材料を主として金属材料の強度特性、耐食性、耐熱性およびさまざまな破壊挙動に関する基礎的および応用的な研究を行っています。勉強はもちろん、実験、分析、計算、討論ならびに学会発表等を通して金属材料関連の知識および実践能力を身につけます。将来、技術者や研究者として社会に貢献することが期待されます。卒業生は、材料、機械、自動車、電力、電機などの関連企業で、研究開発、設計、生産管理など多くの分野で活躍しています。また、公務員になった方もいます。牛立斌准教授信州大学工学部助手、助教授を経て、2007年より現職。材料環境強度学の分野において、プラント機器材料の高温強度や耐食性等の関連研究を行っている。発電プラント(地熱・⽕⼒等)機器材料の環境強度特性向上、安⼼な発電を⽬指す!環境機能⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像ナノ粒子複合体作製写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm生成物の光特性評価写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm超音波照射により作製した銀ナノ粒子複合体写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm⽥中研究室エネルギー不足に直面している現在、エネルギー源確保と省エネルギー推進が重要な課題です。田中研究室では光や超音波を用いて色素増感太陽電池の色素あるいは触媒として利用できる有機金属錯体の合成やナノ粒子複合材の作製を行っています。いかに太陽光を効率よく吸収できる分子にするかが最初の関門です。これらの化合物は発光体(フォトルミネッセンス、エレクトロルミネッセンス)、磁性体としての応用も考えられます。また、廃棄物からレアメタルを回収し、上記色素および触媒へ再利用する実験も行っています。熱反応では進みにくい反応も光照射を用いると進行することがあります。超音波照射では溶媒由来の官能基を導入することができます。量子化学計算に基づく分子設計により合成した化合物は、環境負荷の少ないクリーンエネルギーを生み出すことや、物質変換に利用されることが期待できます。卒業生の半数近くは大学院へ進学しています。就職先は自動車、食品、化学、電気メーカーおよび公務員等と多岐にわたっています。田中伸明准教授1996年工学部着任。主な研究分野は、光化学、分子科学、計算化学、材料化学。分子・原子の様々な特性を引き出せる光は魅力がいっぱい。光に未来を託す64

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