工学部研究紹介2016|信州大学
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微細構造光波解析、ネットワーク解析、非線形構造解析、熱伝導、音場など様々な対象の数値解析を駆使して最適設計を行う研究テーマはロボット動作、歯車機構、有機EL、植物栽培、太陽光利用、インテリジェントネットワーク、コミュニティデザイン、LCA等。チーム最適化(最適家)は熱い議論と笑顔にあふれているダンボール変形解析有機EL射出光設計歯車機構創成電力需要系統電源太陽光,風力自然エネルギー利用電力供給システムバイオマス蓄電池充電発電太陽光利用環境機能⼯学科中村研究室研究から広がる未来卒業後の未来像機械装置・システムの設計は、材料の性質や力学、地球環境への配慮、設計方法など多くの知識が総合される過程です。機械の軽量化や高効率・高性能化、エネルギー・資源の使用量低減には最適化が欠かせません。製品の製造から使用・廃棄、材料の再利用、安全の保証まで、物づくり全般における環境適合設計が必要となります。研究室では“調和”を実現する「最適化」の技術、“未来”を創る「設計」の技術をキーフレーズとして、機械工学や光工学分野の各種最適設計や最適化手法、エコデザイン、インテリジェントネットワークなどを研究しています。中村研究室(最適設計研究室)では、学生個々の興味に応じて研究分野を選び「最適化」の研究に取り組みます。最適化の技術は、エネルギーや資源を有効に利用していくために必須の技術です。世界中で推進されている環境適合設計や、超高速コンピューターを利用したモデルベース開発は高度で効率的な開発を実現するだけでなく、地球環境を守りつつ、安全安心を保証するために欠かせない道具となっています。卒業・修了生は自動車・電機・建設機械・医療機器・カメラ・情報機器メーカー、空調設備、企業の研究所、研究職公務員など広範な分野で、設計・開発技術者、研究者として活躍しています。約8割の学生が大学院に進学しています。中村正行教授長野県精密工業試験場勤務の後、信州大学助手、助教授を経て2006年より現職。専門は計算力学、設計工学。主な講義科目は「材料力学」「光工学」「最適設計学特論」「環境エネルギー工学特論」。“調和”を実現する「最適化」の技術、“未来”を創る「設計」の技術環境機能⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像酸化チタンなどの光触媒により、青色の色素を分解・脱色することができる写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm色素を用いた光合成模倣型太陽電池(色素増感太陽電池)の電極写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm光と粘土鉱物を用いた水質浄化実験写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm錦織研究室有害物質による環境汚染が地球規模で問題となっています。人や生態系に安全な地球環境を実現するためには、自然の力を利用して環境に負荷をかけない方法で水・大気・土壌の浄化を行うための技術や、化石燃料に頼らずにエネルギーを得る技術が必要です。錦織研究室では、太陽光で機能する光触媒や天然の粘土鉱物を用いた環境浄化材料による有害物質の分解・無害化にかかわる応用科学研究を行っています。また、光触媒作用を応用した光合成模倣型太陽電池や光燃料電池などの新しいエネルギー開発につながる研究も行っています。錦織研究室では、太陽光を利用する光触媒と吸着力に優れた天然の粘土鉱物を複合化した材料による環境浄化や発電の研究に挑戦しています。天然に豊富に存在する粘土鉱物をほんの少しだけ利用し、光触媒に添加するのみで、浄化の効率や発電効率を向上させることが可能です。廃棄物を光触媒で分解して発電する「光燃料電池」は、有害な廃棄物の処理と発電を同時に達成することができる一石二鳥の技術です。卒業生は官公庁の環境部門、水処理、大気浄化関連企業、電気・機械メーカーの環境管理部門等で活躍しています。環境保全や新エネルギー開発において自然の力を利用するという考え方を様々な分野で生かせるような教育をしています。錦織広昌教授名古屋大学研究機関研究員、信州大学工学部環境機能工学科助手、助教、准教授を経て2015年より現職。研究分野は環境光化学、光物理化学。⾃然の⼒を利⽤した環境浄化から廃棄物を利⽤したエネルギー開発まで61

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