工学部研究紹介2016|信州大学
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情報⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像ペンで手書き入力されたフローチャート(流れ図)や楽譜をコンピュータが逐次自動認識後、整形・出力するシステムである写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cmスマートフォン上でのタッチ入力を用いた類似画像検索システム。緑矢印の方向にタッチすると、画像群がらせん状に回転する写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm宮尾研究室宮尾研究室では、タブレットPCやスマートフォンなどで使われているペン入力やタッチ入力の情報を活用した研究を中心に行っています。例えば、ペンで手書き入力された文字・記号・図形をコンピュータで逐次に認識・整形したり、以前に入力した情報を検索する手法について研究しています。また、タッチ入力された情報を用いた研究では、そのジェスチャ(タッチした複数の指の動き)の登録・認識を行ったり、それらの技術を用いたプログラム開発を行なったりしています。なお、宮尾研究室は丸山研究室・白井研究室と合同で研究活動を行っていますので、そちらもご覧ください。コンピュータに対する、ペンやタッチを用いた情報入力システムは、今後ますます増えてくるでしょう。同研究室が考えているのは、これらの入力システムが人間の創作活動を助けるものにならないだろうか?という点です。例えば、アイデアメモを筆記している時、作曲活動で楽譜を書いている時、コンピュータがこれらの創作活動を援助してくれるようになると便利です。同研究室の技術は、こんな時に役に立つはずです。ほぼ半数の学生が大学院に進学し、残りの学生が就職しています。就職先はソフトウェア開発関連、電機メーカー、ゲーム関連会社など多岐にわたります。同研究室で学んだ問題解決能力は、どの会社に行っても活かすことができます。宮尾秀俊准教授1991年より工学部情報工学科助手として着任。1998年、在外研究員としてワシントン大学にて研究活動。2004年より現職。研究分野はパターン認識・音楽情報処理・ヒューマンコンピュータインタラクション。ペンとタッチの情報処理〜快適な創作活動環境の構築を⽬指して〜既に身近なところで使われている暗号みなさんも知らないうちに使っていませんか?地デジ情報⼯学科岡崎研究室研究から広がる未来卒業後の未来像岡崎研究室では暗号の研究をおこなっています。暗号はICT社会をささえるインフラの要素として重要となっています。しかし、暗号は情報理論、計算理論、あるいは数学など情報工学のさまざまな技術分野の上に成り立つ総合的な学問分野であるため、専門家以外には理解しがたい世界になっています。これからの暗号は「安全であることを誰もが納得して使える」ことを目指さないといけません。同研究室では、数理的技法を用いてコンピュータを使って暗号システムの安全性を証明するための仕組み作りを進めています。暗号はICT社会において既に必要不可欠なものであり、利用していない人は居ないと言っても過言ではありません。しかし一般ユーザのみならず、セキュリティ関連の技術者にすら暗号が正しく理解されているとは言い難いものがあります。同研究室では暗号の非専門家、例えばネットワーク技術者等、であってもシステム全体の安全性を容易に確認できるようなシステム実現を目指しています。暗号の研究のためには身に付けた情報工学の幅広い知識や理論は他の分野にも応用可能です。卒業後は応用分野を限定せずに幅広い分野で活躍する理論のわかる情報工学技術者となることが望まれます。岡崎裕之助教博士(工学)(京都工芸繊維大学)大阪電気通信大学非常勤講師、京都コンピュータ学院非常勤講師、信州大学大学院助手を経て20007年より信州大学大学院助教暗号理論の研究に従事。主に•数論アルゴリズム応用による暗号方式実装技術•形式的手法による暗号の安全性証明に取り組む。情報セキュリティの基礎理論暗号はICT社会のインフラです56

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