工学部研究紹介2016|信州大学
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視線検出を利用したソフトウェアキーボードの研究。ディスプレイ下部のUSBカメラで利用者の眼の動きを検出している脳波を利用したインタフェースのシステム構成図。特定の刺激を意識したことを、脳波から察しようとする試み情報⼯学科橋本研究室研究から広がる未来卒業後の未来像橋本研究室では、身体の様々な情報を取り出し、医療やコミュニケーションに利用することに取り組んでいます。通常の機器ではコミュニケーションをとりにくい障がい者の支援方法にも取り組んでおり、最近では視線を利用した入力装置や視覚や聴覚による刺激に対応する脳波を解析した入力手法を研究しています。医療に役立つ分野の計測として、加速度センサによる身体のバランス評価やいびき音の解析など、体にまつわる広い分野を手掛けています。ヒトが行動しようとするとき、身体からは様々な情報が発せられています。自分が興味を持つものに視線を向けるでしょう。脳波や筋電位は思考や行動に伴って発生する身体の電気的変化の表れです。このような様々な身体の情報で何が分かり、何に利用できるかは尽きません。ユビキタスの社会への入り口として、誰でも自然に扱えるインタフェースを目指しています。約半数の学生は修士課程に進みます。主たる就職先は情報産業・電機メーカーですが、研究に興味をもち、医療機器メーカーに就職する学生もいます。橋本昌巳准教授1994年より信州大学助手、2007年から現職。研究分野は生体情報計測やヒューマンインタフェース。⾃然なヒューマンコンピュータインタラクションを⽬指して藤原研究室情報⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像「スキーレンタル問題」は、例えばモバイル端末において「1分操作がなければバックライト消灯」などのモードを選ぶことと表裏一体「ビンパッキング問題」は、理論計算機科学の重要なトピックであるだけなく、ロジスティックや分散処理などに幅広い応用がある先のことは分からないが、今、行動を決めなければならないことがよくあります。日常生活のみならず、経済活動、ひいてはコンピュータの管理や設計においてもです。「スキー板はレンタル?買ってしまう?」「次々と荷物がやってくるが、配送トラックにどのように詰めるべき?」先のことの情報があれば、それを基づいてうまい行動がとれます。しかしながら、「一寸先は闇」といっていいほど予測がつかない事例も少なくありません。藤原研究室ではそのような事例の本質を突き止めたうえで、それに対する「戦略」や「アルゴリズム」を研究します。まず研究の目指すところは、「一寸先は闇」といっていいほど将来の情報が非常にとぼしい状況において、現時点での最も良い選択肢を導くための「戦略」や「アルゴリズム」を設計することです。さらには、「先が分かる場合」と「先が分からない場合」の間にある、未来情報の価値の本質を解き明かします。藤原研究室では、何よりも、問題解決能力を徹底的に磨き上げます。ただがむしゃらに問題に取り組むのではなく、まずは準備として直面する問題の本質を調べ上げ、そしてどんな道具が使えるか、あるいはどんな解決法が適しているのかを理路整然と考え抜く総合的なスキルを鍛えます。藤原洋志准教授京大大学院修了後、関学大博士研究員、豊橋技科大助教を経て、2014年より現職。その間、ドイツフライブルク大客員研究員、中国電子科技大招聘副教授。博士(情報学)。専門はアルゴリズム理論ならびに最適化理論。⾒えない未来の攻略法55

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