工学部研究紹介2016|信州大学
56/80

情報⼯学科サービスを提供するために、サーバの設置、電源・ネットワーク配線、インストールなど、システム構築を一から行う教育用ネットワークサービスの開発。学生が自分の目線で、自分にとって使いやすいシステムを開発している新村研究室研究から広がる未来卒業後の未来像蛇口をひねると水が出たり、スイッチを入れると灯りがついたりするのは、あたりまえのようですが、社会生活を行う上では必要不可欠なものです。このようなサービスは社会基盤(インフラ)と呼ばれています。いまや、インターネットにつないでいろいろなサービスをうけることも、社会生活を行う上で必用不可欠なものになりつつあります。新村研究室では、主に教育分野において、数千人を対象をするネットワークサービスを実際に提供することで、IT社会で必須となるインフラシステムの構築と運用に関する研究を進めています。あるアニメがテレビ放映されると、あるタイミングで視聴者が一斉にネットワークにある言葉を書き込むため、ネットワークサービスが一時的に使えなくなることがあります。でも、しばらくすると使えるようになりますね。同研究室の研究も、普段から便利に使えていて、めったに起きない非常な高負荷時にもなんとか持ちこたえ、なにごともなかったように回復する、そんなシステムの構築を行っています。この「なにごともなかったように」ネットワークサービスの提供を継続することが、研究の目標です。みなさんが普段、インターネットで検索したり、動画を見たりしているサービスは、私たちのシステムと同じ仕組みで提供されています。実際に、そのようなサービスを提供する会社や、そのサービスの構築を行っている会社で活躍している卒業生も沢山います。新村正明准教授長野県企業局、長野県情報技術試験場を経て、2002年より現職。専門分野はネットワーク。2007年より2011年まで、信州大学e-Learningセンターに兼務し、信州大学全学教育基盤システム[eALPS]の開発に従事。IT社会のネットワークサービスを⽀えるインフラシステムの構築情報⼯学科界面活性剤の自己組織化を利用したメソポーラスシリカ薄膜の電子顕微鏡写真。約4nmの細孔がハニカム状に規則的に配列ナノ構造を観察するためには走査型透過電子顕微鏡(STEM)等の最先端電子顕微鏡操作が欠かせない20nm榮岩研究室(⼯学基礎教育部⾨)研究から広がる未来卒業後の未来像現在の情報化社会を支えているのは半導体を中心とする電子の流れ(電流)を制御する電子デバイスです。更なる省エネルギー・高速化の切り札として電子のスピン情報を活用するスピントロニクスデバイスが期待されています。榮岩研究室では、スピントロニクスデバイス材料として、磁気ナノワイヤー或いはドットが絶縁体を介して規則配列したナノ構造体に注目し、その材料開発研究を行っています。規則的なナノ構造を作るために、界面活性剤(石鹸)の自己組織化によって生み出されるハニカム構造の活用も進めています。停電によってコンピュータで行っていた作業が一瞬にして消えてしまった経験はありませんか?スピントロニクスデバイスは何時停電しても停電前の状態で起動できる夢のコンピュータを実現できる可能性を持っています。榮岩研究室では、そういったスピントロニクスデバイスを構成する磁性材料の研究を行っています。磁気デバイスは状態を維持するために電流を流し続ける必要が無く、スピン注入による高速スイッチングといった省エネルギー・高速化の有力候補です。同研究室の材料開発は、材料の合成に始まり、構造解析、元素分析、微細構造観察、電気・磁気測定による評価結果を再び合成条件にフィードバックすることの繰り返しで、正にエンジニア教育です。真空技術、測定・分析・観察技術を身につけたエンジニアが巣立っています。榮岩哲二准教授大学3年生の時に「これからはマグネだ!」と思い込み、それ以来、磁気記録材料・磁気センサ材料の開発とデバイスへの応用といった磁性材料を中心に研究している。最近は里山保全NPO活動も行っている。ナノサイズ磁性体の創⽣とセンサ・磁気デバイスへの応⽤54

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です