工学部研究紹介2016|信州大学
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情報⼯学科言語障がい者の会話を支援するウェアラブルな会話エイドシステムの試作機(指先の動きでカーソルを移動し、音声を出力する)自動車の運転席など狭い空間でも利用可能な簡易型モーションキャプチャ・システムの外観(ドライバーの動作をリアルタイムに解析する)井澤研究室研究から広がる未来卒業後の未来像井澤研究室では、回路情報を書き替えることができるFPGAというLSIを用いた『リコンフィギュラブル・システム』について研究しています。近年のディジタル機器の寿命は短く、早いものでは数年の間に不燃ゴミと化してしまいます。回路情報を書き替えることができるFPGAを用い、ネットワーク等を介して最新の回路にアップデートすれば、『LSIのリサイクル』も夢ではありません。FPGAの潜在能力は高く、利用するアプリケーションに応じて回路情報を更新することにより、高性能CPUにも匹敵する処理を、より少ない消費電力で実現することも可能です。井澤研究室では、リコンフィギュラブル・システム以外に、音声や画像などの信号を効率よく圧縮する符号化方式の基礎研究も行っています。また産官学の連携プロジェクトの形で、運動センサーを用いて、人間の動作を解析するシステムの研究・開発も進めています。さらに言語障がい者の会話を支援する会話エイドシステムをWEB上に構築し、一般に広く公開するとともに、アンドロイド端末用のアプリケーションなども開発しています。主な就職先はIT企業やメーカーですが、最近は組み込みシステム関連の企業が増えています。井澤裕司准教授株式会社日立製作所を経て、平成7年より現職。研究分野は、画像や音声の符号化方式、ディジタル信号処理等。ソフトなハードウェア?『FPGA を⽤いたリコンフィギュラブル・システム』研究から広がる未来卒業後の未来像情報⼯学科岡野研究室岡野研究室では小形研究室と協力しソフトウェア開発をサポートする諸技術の研究を行っています。ソフトウェアは要求文書に始まり、どのように作るかという設計文書、そしてプログラムコード、テストスイート、表明などからなっています。またこれらの文章は相互に関連付けられています。これの生産物に対して定量測定や、あるいは静的解析を行って、種々の性質を検証したり、工数などを予測することがソフトウェア工学として重要です。これらの技術について研究を行っています。ソフトウェア開発には多くの工学技術が使われています。その中でも我々の研究は高信頼ソフトウェア開発のための技術を研究しています。今後、ソフトウェアの大規模化、社会における重要性の高まりにより、このような技術を持ったソフトウェア技術者の活躍が重要になってくると思われます。半数以上の学生大学院に進学します。その後は、研究を通して得た技術、経験をもとにソフトウェア開発や組み込みシステムの開発や研究に企業等で活躍することが期待されます。岡野浩三准教授大阪大学大学院基礎工学研究科修了。博士(工学)。2015年より現職。ソフトウェア工学、とりわけ仕様記述と検証技術に関する研究に従事。よりよいソフトウェア作りの研究:「設計書」と「コード」の関係ライントレーシングロボットの安全性検証Spec. (JML)Spec. (Alloy)Alloy Analyzer!?instances仕様の洗練度をAlloy Analyzerを用いて可視化51

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