工学部研究紹介2016|信州大学
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情報⼯学科研究室のナノリソグラフィー加工の例。この画像は原子間力顕微鏡のイメージです。1nm=10億分の1メートル研究室で作製したスピンメモリ素子写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm劉研究室研究から広がる未来卒業後の未来像劉研究室では、電子の電荷とスピンを制御することによって、より高密度、高速、低消費電力の不揮発性メモリ及び不揮発性ロジック素子の創成を目指します。注力しているのは、電流、電圧によるスピンの方向の直接かつ自由に制御に向かってチャンレンジしています。同研究室では、髪の毛の直径の千分の一以下の厚さを持つ薄膜の作製技術とフォトリソグラフィーを用いたマイクロスケールの微細加工技術を組み合わせて、新規なメモリ素子の形成とその電気伝導特性、磁気特性、微細構造等様々な評価を行っています。現在電子の電荷制御を用いたロジック・メモリデバイスは高度情報化社会の中枢を担うに至っています。しかしながら微細化にすることによって、電荷の漏れ(リーク電流)の増大等問題が頭在化しています。一方、電子のスピン制御に関する技術を利用したメモリ・ロジックデバイスは、記憶不揮発性、高速動作、高集積化、高信頼性及び繰り返し耐性等の特長を持ち、BeyondCMOSの有力な候補となっています。大学院の進学率は平均で約50%。主な就職先は電気系会社、公務員等。常に広い視野で、大きな夢を持つこと、そして世界に通用する人材の育成が研究室の教育目標です。劉小晰教授中国蘭州大学卒業、同大学大学院で理学博士。群馬大学博士研究員、イギリスグラスゴー大学博士研究員を経て、現在に至る。電⼦のスピンを⽤いた新しい不揮発性メモリ情報⼯学科HiPSツール:階層型ペトリネットを設計・解析・シミュレーション実行する統合環境http://sourceforge.net/projects/hips-tools/SPINモデル検査ツール統合環境iSPINによる検証とランダムウォーク・シミュレーション実行の様子(通信プロトコル設計の検証中)和﨑研究室研究から広がる未来卒業後の未来像ソフトウェアは目に見えず重さも無く、「情報(ビット)」という形で格納される、不思議な工業製品です。ソフトウェアの設計を検証することで、正しく動く信頼性の高い製品やサービスを提供することができます。和﨑研究室では、並列システムモデルそのモデル化手法(ネット指向設計、プロセス代数仕様設計等)ならびにその形式検証系(定理証明系、モデル検査系)を基盤理論として、ソフトウェアの上流設計や、上位ハードウェアコンパイラ、ペトリネット設計・検証ツールといった応用に取り組んでいます。通信ネットワーク、ソフトウェア開発、システム設計エンジニア、クラウドサービス企業などに卒業生を輩出。自律的な論理的思考ができる技術者・研究者の育成のため、日頃から研究の議論・ゼミ活動を中心とした指導を行っています。研究の成果は国内外の学会や論文で発表しています。和﨑克己教授長野高専電子制御工学科助手、信州大学工学部情報工学科助手、助教授、大学院工学系研究科准教授を経て、2009年より現職。研究分野は、並列分散システムのモデル化と解析、非同期回路の数学モデルと形式検証、モデル検査系、など。★設計を検証するって、とっても重要★「100%バグフリー設計」を⽬指して!!情報システムの「信頼性(Dependability)」に関して、ネットワークのQoS・暗号化通信に代表される「安全性(Safety)」とともに、システムの堅牢性(Reliability)を確保することが大変重要です。高い信頼性が要求される情報システムのために、可能な限り誤り(バグ)を排除した設計に仕上げていくことが重要な課題です。和﨑研究室では、「100%バグフリー設計」を目指し、ソフトウェア分野で(1)特に並列システムを対象とした、設計の全網羅的な検査システムと検証ツールの開発と(2)上流工程からの一貫設計検証環境、などを研究しています。50

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