工学部研究紹介2016|信州大学
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茅葺屋根の民家に地震計を設置し、地震時に建物がどのように揺れるかを計測している白川郷の合掌造り民家の耐震性能を明らかにするために、合掌造り独特の造り方である板壁と柱のフレームを用いて実験を行う松⽥研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築学科日本には多くの木造建築があります。一口に木造建築といっても、民家や社寺のような昔ながらの建物、現在建てられている一般的な木造住宅、学校などの規模の大きな建物と実に様々です。この中でも特に日本の文化を受け継ぐ方法で建てられた伝統木造建築の耐震性能に関する研究に取り組んでいます。伝統木造建築は地震に弱い?、でも残っている建物もたくさんあります。伝統木造建築は地震に強い?、でも倒れてしまった建物もたくさんあります。本当のところはどうなのでしょう?研究には、こうした疑問を工学的な手法を用いて解き明かしていく面白さがあります。民家、社寺など日本の文化を受け継ぐ伝統建物は今もなお生き続けています。現在では木造建築の研究が進み、ビルやドームなど様々な建築が木造で建てられています。一方で伝統建物の構造の仕組みはよく分からない部分が多いのも事実です。美しい伝統建築を保存・活用する、あるいは今後も建てていくにはどうしたらよいかというテーマは、今の時代だからこそ夢があり、未来につながるものです。木造建築、構造の基本的な考え方を理解しながら研究を進めることで、伝統木造建築の保存や設計に携わることや、木造建築を中心とした構造設計の分野での活躍が期待されます。松田昌洋助教東京大学国際都市再生研究センター特任研究員、東洋大学木と建築で創造する共生社会研究センター研究助手を経て2011年より現職。木構造、主に民家などの伝統木造建築の耐震性能に関する研究に従事。伝統⽊造建築が地震に耐える仕組みを⼯学的な視点で考える39

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