工学部研究紹介2016|信州大学
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電気とお湯をつくる燃料電池(エネファーム)の外観写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm住宅における消費電力量や太陽光発電と燃料電池の発電量を計測する計測器を設置した様子サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cm燃料電池の効率を計測するためのセンサーを設置した様子⾼村研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築学科地球温暖化は大きな地球環境問題となっています。こうした背景に対して、2010年度の家庭部門からのCO2排出量は京都議定書における基準年比で35.5%増加となっていることから、家庭部門におけるCO2排出量の削減が急務となっています。高村研究室では家庭における電気やガスなどのエネルギー消費量や太陽光発電や燃料電池(エネファーム)等の発電量の計測を行い、家庭における消費エネルギーとCO2排出量の実態を明らかにしています。また、給湯機器等の住宅設備の消費エネルギーを計測し、実態に基いた住宅設備の効率やCO2排出量削減効果等を明らかにしています。居住者の使い方や気象条件が異なれば住宅設備の効率は大きく変わります。一般住宅における実態に即したデータを解析し、寒冷地である長野県内において快適性を損なわず、省エネルギーとCO2排出量削減を達成する住宅設備とは何かを明らかにします。また、省エネルギーを達成させるための住まい方や住宅設備の使用方法についても明らかにします。建築環境工学や建築設備に関する知識を習得することはもちろん、自ら考え行動する力を持った学生を育成しています。主な就職先はゼネコン(総合建設業)や住設メーカーなどです。高村秀紀准教授株式会社カネカ、信州大学工学部助手、信州大学工学助教を経て、2010年より現職。住宅のLCCO2(ライフサイクルCO2:住宅建設時から解体時までのCO2排出量)削減が主な研究テーマ。⾼効率でCO2排出量削減効果が⼤きい住宅設備を探る人間と人間との間に存在する仕切り(障子)のデザインに応じて、室空間の利用形態が変容する過程を科学的に分析している研究対象とする空間は住宅・高層建築・小学校や大学・公共(歩行空間やトイレ空間など)、世代は幼児から高齢者までと広範柳瀬研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築学科上述した研究に取組むにあたっては、人間が知覚・認知している環境について理解を深めることが大切です。例えば、物理的に2倍明るい環境を、人間が2倍明るいと感じることは稀です。一方、階段の蹴上げやベンチの座面寸法などを数cm変化させた場合などは、その違いを非常に敏感に感じ取ります。人間の知覚・認知システムは、思っている以上にいい加減かつ精巧な側面を持っています。なぜ?どのような条件で?そして、その性質について実験心理学的手法を用いて研究し、より良い構築空間をデザインするために活かす資料づくりが、求められています。総合建設業・設計事務所・ハウスメーカー・行政機関・地方自治体など、自らの希望に応じて、建築に関係する幅広い分野へ就職しています。いずれの分野においても、学際的な視点から建築・都市空間について考えを深める研究経験は役立ちます。人間は自らが過ごす環境を構築するチカラを持っていて、自らがより良く感じられる環境づくりを継続してきています。しかしながら、その目的に根ざして構築された環境が思い通りに機能しないこと、新たな問題を生み出すことは少なくありません。これらの問題について考えるためには、物理的な環境を詳細に調べるだけでなく、心理的(人間の頭の中につくられる)環境の特性を把握して、それらの対応関係を慎重に推察する手続きが欠かせません。柳瀬研究室では、建築空間や都市空間を対象に『人間—環境系に関わる研究』を行っています。柳瀬亮太准教授2001年、早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了、博士(人間科学)取得。2002年、信州大学に着任し、現在に至る。専門分野は、環境心理学、認知心理学。人間と環境の相互作用について研究。より良い環境をデザインするそのために「⼼理的環境」を探究する37

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