工学部研究紹介2016|信州大学
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設計競技参加作品、屋外展示作品を設計し作成まで行う。軽くてやわらかな素材を格子状の組み、東屋のような休憩空間を提案駅前広場に面した公園の設計プロジェクト。平坦な地に、様々なイベントや出来事を誘発するランドスケープを提案寺内研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築学科諏訪盆地における地震動のシミュレーション解析。地震動の到来方向(図の丸印)によって地震動の大きさは大きく異なる免震建物の自動設計プログラムにより設計された建物の性能を数値化した例。右か上に行くほど性能が高い。図中の一つの点が、一つの建物の性能を示す。実施例(構造設計者が設計した建物)より、最適設計された建物の方が性能が高い0.460.480.50.520.540.560.580.60.970.9750.980.9850.990.9951骨組重量の評価値変形角の評価値実施例1回目2回目3回目4回目5回目6回目7回目8回目9回目10回目実施例Wmin(重量最小)θmin(変形角最小)⽥守研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築学科寺内研究室では、様々な市町村と協同して、デザイン活動を展開しています。こうした活動のなかには、調査の段階から地元の方々とのワークショップを経て、具体的な設計提案に至るという息の長いプロジェクトもあります。また、設計競技は与えられた時間のなかでベストな提案を出さなければならない短期決戦です。研究室はひとつのチームです。学生と教員が一体となってよりよい案を模索し、どのように伝えるべきか、プレゼンテーションについても探求しています。建築設計事務所や建設会社、ハウスメーカーなど設計や施工部門に卒業生を多く輩出しています。また、公官庁やコンサルといった公共施設の企画や運営に携わったり、編集デザインや内装設計にすすむ卒業生もいます。デザイナーとして幅広いジャンルで活躍してくれることを願っています。寺内研究室では、建築設計、デザインサーベイなど「デザイン」をキーワードに活動しています。また、こうした活動の理論的根拠を求めて、建築や都市空間を対象に意匠論および空間構成論として研究を進めています。建物だけでなく公園やまちなみといった、私たちをとりまく環境全てに興味をもち、特徴を理解することから、デザインは始まります。設計競技や、住宅の設計、まちづくりなど、様々なプロジェクトを通して、地域のみなさんに愛されるデザインを提案しています。寺内美紀子准教授東京工業大学助手、茨城大学准教授を経て2012年より現職専門分野は、建築設計、建築意匠であり、住宅からまちづくりまで様々な対象でデザイン活動を展開。設計だけでなく、建築や都市空間の空間構成に関する研究も行う。地盤の構造により、地震動の大きさは大きく変化します。また、現在の耐震設計法で設計された建物でも被害が発生することは避けられません。免震構造を導入すれば、建物被害を避けることができます。地震動をより正確に推定し、免震建物の地震に対する設計法を高度化することが、地震被害の低減につながります。高度な技術を持った建築構造設計者となるための教育を実施しています。卒業生は、構造設計の他、建築に関わるコンピュータソフトの開発、建築現場での施工管理などにも携わっています。田守研究室では建物の地震被害の低減に向けたテーマに取り組んでいます。(1)地震観測・常時微動測定による地盤構造の推定:地盤の微小な振動を測定することによって、地下数kmまでの地盤構造がわかります。この結果は、地震時の被害予測の推定に利用されます。(3)最適構造設計システムの開発:建物の設計行為をコンピュータプログラムで自動的に行えば、より性能の高い建物が一度に多数設計できます。現在は、免震建物の最適設計システムが構築できた段階です。http://sake03.shinshu-u.ac.jp/田守伸一郎准教授東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程を修了したのち、1989年から現職。研究分野は建築構造学。戸建て住宅を含む、免震建物・超高層建物の構造設計が適正かの評定も行っている。建築から都市空間へ、デザインの可能性を広げる地震災害低減に向けて、建物の耐震設計法の⾼度化を⽬指す36

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