工学部研究紹介2016|信州大学
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画像処理により、まちの景観を分析・評価し、地域・都市の計画づくりに活かす人工衛星データを活用して、土地利用の変化を分析し、将来の予測を行い、地域・都市の計画づくりに活かす藤居研究室研究から広がる未来卒業後の未来像⼟⽊⼯学科近年、自然環境の保全や持続可能な社会が求められており、環境に配慮した地域社会の構築が必要とされています。藤居研究室では、地方都市や中山間地域における計画論、地域環境および流域環境の分析・評価、社会開発に対する計画・手法などに関する研究を行います。研究内容は大きく次の3つの分野に分けられます。1.都市計画・農村計画に関する分野2.景観分析および評価に関する分野3.環境計画・環境評価に関する分野土地利用計画やマスタープラン等に係わる土地利用および地域環境、生活環境の時空間的変容の分析評価を行い、将来計画への反映を図ります。都市景観や農村景観の評価を通じて景観計画、景観保全を考えます。さらに、都市における景域変化をとくに緑地の配置から評価します。多くの卒業生が公務員(専門職)として、また、コンサルタント(都市計画、環境計画分野)会社やJRで活躍しています。藤居良夫准教授京都大学および同大学院修了後、島根大学を経て、現在に至る。地域の環境を分析してまちづくりを考えます土壌と微生物を利用した維持管理の容易な脱窒素処理装置汚染状況や処理装置の性能を確認するため、水質を様々な分析装置で測定する(写真はイオンクロマトグラフ)排水や廃棄物からメタンが回収できるメタン発酵松本研究室研究から広がる未来卒業後の未来像⼟⽊⼯学科松本研究室では、都市に住む人々の生活環境や健康をまもるため、微生物を利用した排水や廃棄物の処理技術の開発がおこなわれています。たとえばメタン生成菌と呼ばれる細菌の能力を利用し、生ごみや生活排水に含まれる汚れ成分(有機物)をメタンに変換し、環境浄化と同時にエネルギー資源を取り出す研究が進められています。このような細菌の持つ様々な能力を利用した維持管理が容易で使いやすい環境浄化の「適正技術」が、自然の浄化作用や古くから用いられてきた伝統的な排水・廃棄物処理技術を参考に探求されています。構造が簡単で、維持管理が容易な処理システムは、処理性能はやや劣りますが、導入しやすく、運転に必要なエネルギーが少ないなどの特徴を持っています。このようなシステムを既存の中小規模の排水処理施設と組み合わせることで処理機能が強化されたり資源の回収が可能になります。さらに地理的特性から施設の十分な管理が難しい山小屋のトイレや運転管理技術者が少ない開発途上国での利用も期待できます。近年は卒業後、国や地方自治体の公務員になるケースが増えていますが、プラント建設会社や環境装置メーカーに就職する卒業生もおり、同研究室の特徴となっています。松本明人准教授三機工業株式会社を経て、1993年より信州大学。研究分野は衛生工学および水環境工学で、最近は水環境の評価を通じた環境教育ツールの検討もおこなっている。微⽣物を利⽤してまちをきれいにする環境浄化の『適正技術』を求めて32

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