工学部研究紹介2016|信州大学
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河川氾濫時の避難行動シミュレーション。避難行動の影響要因を分析することによって、安全計画のための情報を得る連続繊維シートによる鉄筋コンクリートはりの補強効果を調べる。各補強パターンによる亀裂発生状況の違い⼤上研究室研究から広がる未来卒業後の未来像⼟⽊⼯学科数値シミュレーションは工学の問題を解決する有用な手段です。大上研究室では数値解析とシミュレーションによって土木工学分野における様々な問題の解明に取り組んでいます。例えば、・材料物性値のパラメータ同定・災害時における避難行動のマルチエージェントシミュレーション・土砂災害の危険性評価・種々の数値解析手法の効率化の検討等です。数値実験には、材料や大きさ、環境の制約を受けない、特殊な設備がいらない、短期間に実施できるなどの利点があります。特に対象とする問題が災害などのように実験による検証が困難である場合、シミュレーションにより災害の支配要因を明らかにしたり、災害対策の効果を予め把握することも可能となり、防災計画に有益な情報を提供できるようになります。同研究室の卒業生は、国土交通省や県庁、市役所などの官公庁、JR、建設会社、コンサルタント等へ就職して、幅広い分野で国土の整備や地域の発展のために活躍しています。大上俊之教授主な研究分野は構造工学における数値解析、土砂災害の危険性評価、物性値同定解析。空洞構造体による東日本大震災の復興を提言閉鎖性水域(諏訪湖)における底泥のサンプリングと湖底地盤の強度調査および密度検層梅崎研究室研究から広がる未来卒業後の未来像⼟⽊⼯学科梅崎研究室では、豪雨による土砂災害および地すべりや地盤沈下などに対する防災・減災のために、土の強度や変形特性に関する基礎的な研究を実施しています。また、水質汚濁や悪臭が問題となっている閉鎖性水域の水質・底質浄化対策のために、室内実験や諏訪湖などにおける現地調査および実証実験にも取り組んでいます。さらに、放射性物質で汚染された地盤の除染技術の開発や環境修復に関する研究も行っています。これらは、多くの民間企業との共同研究として実施されており、また、省庁や民間団体が企画した研究プロジェクトなどにも参画しています。基礎的な土の力学的挙動の解明から地盤環境の調査や改質改善などの多岐にわたる研究が行っています。人々が生活している地域や都市部の防災・環境保全だけでなく、宇宙開発における月面基地の建設、惑星探査や海底都市の建設、海底探査などに繋がる研究を実施しています。研究室では、学生たちが自主的に様々な実験・解析を日々行っています。市民生活をより快適で安全・安心にするための都市計画や防災対策などに携わる省庁や地方自治体、社会資本の整備などに携わる建設会社や環境調査会社、また、大学院進学を経て大学などの研究機関などへ多くの卒業生を輩出しています。梅崎健夫教授九州大学工学部助手、信州大学工学部助手、助教授を経て、2014年より現職。主な研究分野は、軟弱地盤の改良技術、閉鎖性水域の水質・底質浄化対策、天然ゼオライト用いた除染システムの提案など。⼟の⼒学から地盤環境まで災害を防ぐ、環境を守る構造の⼒学を解析する、防災を調べる28

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