工学部研究紹介2016|信州大学
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電気電子工学科可視光通信の変・復調の実験:無線局免許や無線従事者免許が必要ないので、研究室でも自由に通信実験ができる写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm遠距離での可視光通信の実験風景:現在共同研究している企業では、40km届いたという世界記録をもつ。衛星通信にも挑戦中写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm半⽥研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科半田研究室では、主に電波を用いた移動通信方式の変・復調、符号化、通信プロトコルの研究を行っています。電波は見えませんが、携帯電話などで非常に便利に使われています。ここで紹介する研究は、LEDから発せられる光に情報を載せて通信を行う「可視光通信」です。光が見えますので、どこから情報が発せられているのか分かりますし、遮ってしまえばそちらの方向には届きません(秘匿性)。また、病院など電波が使えない場所でも、ガラス越しや水の中だって光が届きさえすれば通信することができます。明かりの必要な所で、LED照明が通信のインフラになります。省エネの代名詞にもなっているLED電灯は至る所に設置されますので、これらに可視光通信機能が付けば、ビル内でのGPS(測位システム)や放送電波の代わりにLED電灯から地デジの信号が受信できる、街灯の下に行けばその周辺のより詳しい地図が携帯電話にダウンロードできるなど様々な応用が期待できます。歴史が比較的新しい分野なので、若い人のアイデア次第で色々な可能性が広がります。学生は、研究室のモットー「よく遊べ、よく学べ」をよく守り、社会に出てからも遊びと仕事を両立して頑張っています。無線器機メーカー、携帯サービス会社、鉄道会社、電力会社など電気・電子・情報通信の殆どの分野で活躍しています。半田志郎教授神戸大学、長野高専を経て、2005年より現職.主に移動通信に関連する無線電波の変・復調方式、符号化・復号化、MIMO伝送方式などの研究開発に従事。近年は、主に可視光通信の研究開発に従事。⾒える無線通信『可視光通信』〜LED の光で情報を伝搬〜卒業後の未来像笹森研究室研究から広がる未来理論を追求し、⼿軽で効率の良い無線通信の実現を⽬指す!地デジやWi-Fiと同じディジタル変復調処理(OFDM)をマイコン上に実装し、PHSの無料音声回線を使った伝送実験で通信性能を検証する。写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm複数台のパソコンをネットワーク接続して一台の高性能なパソコン(PCクラスタ)を構築し、コンピュータシミュレーションを実行する。笹森文仁准教授早稲田大学大学院を修了後、2000年より信州大学工学部助手、2006年より現職。研究分野は通信工学、特にディジタル移動通信。電気電⼦⼯学科Wi-Fi(無線LAN)やLTE(LongTermEvolution、3.9G携帯電話)、地デジ(地上デジタルテレビ放送)など、専門用語が愛称として定着するほど無線通信はとても身近な情報通信手段となっています。笹森研究室では、普段から何気なく使っている無線通信システムを支えている諸技術(スペクトル拡散、OFDM、ダイバーシチなど)の性能を理論的に追求して、手軽で効率の良いディジタル無線通信の実現を目指しています。具体的には、アマチュア無線などの音声回線や可視光、音をディジタル通信回線として活用するための信号処理について検討しています。スマートフォンの爆発的な普及によって、超高速な通信回線は必要不可欠なものになっています。一方、子ども見守りシステムや電気・ガス・水道の自動検針システムなど、位置情報や使用状況といった様々な情報を収集してサービス提供に役立てるセンサーネットワークでは、高速回線を必要としないケースも多々あります。より安く、簡単に、低消費電力で通信したいというのはユーザ共通のニーズだと思います。当研究室での研究の一例として、通話料無料の音声回線を効率良くデータ通信に活用する方法の探求が挙げられます。高度情報化社会において通信技術を必要としている企業は多いです。具体的な就職先としては、通信事業者、鉄道事業者、電力会社、通信機器メーカーなどが挙げられますが、つぶしが効く職種ですので、キャリアアップを目指して転職する卒業生もいます。24

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