工学部研究紹介2016|信州大学
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圧電セラミックの作製。このプレス機を使って、粉末をペレット状に成型し、1000℃以上で焼成することでセラミックスが得られる写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm作製した圧電セラミックスの電気的特性の測定。温度や周波数を変化させて、誘電率や共振特性の確認を行う写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm番場研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科圧電材料は圧力を加えると電気(電荷)を発生し、電圧を加えると変形(伸び縮み)する材料で、ライターの着火素子や超音波振動子などに使われています。番場研究室では圧電材料、特に圧電セラミックスの関する研究を行っています。現在用いられている圧電セラミックスの多くは環境や人体に有害な鉛を含んだものであるため、同研究室では環境に配慮した鉛を含まない圧電セラミックスの開発を目指しています。また、圧電セラミックスを用いた応用として、低周波、低エネルギーで駆動可能な超音波モータの開発にも取り組んでいます。圧電材料は機械的エネルギー(圧力、変位)と電気エネルギーの変換を行うことができる材料であり、振動子だけでなく、微小制御可能なアクチュエータにも応用されていますが、それらの特性を左右する材料開発は非常に重要な研究です。また新たな機構を考え、より良いデバイスを開発することも圧電材料の発展には必要不可欠です。これら実現のため、学生は地道な実験を繰り返しながら、日々研究に励んでいます。卒業・修了生の進路は電力会社から電気機器メーカー、公務員まで多岐にわたっています。どのような分野でも活躍できる人材になれるようにと研究室では研究遂行能力や問題解決能力をしっかり身につけるように指導しています。番場教子准教授大阪大学大学院工学研究科物質化学専攻博士後期課程を修了後、信州大学工学部電気電子工学科助手を経て、2006年より現職。研究分野は電子材料。⼒を電気に、電気を変位にかえる圧電材料〜材料開発から応⽤まで〜浦上研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科現代の情報化社会を支える集積回路(IC)技術は、パソコンやスマートフォンを筆頭に様々なところに用いられています。ところが、データ量の増加により毎年のように計算・処理能力の向上や高速化が要求されています。現在では、ICを構成する素子(LSI)の小型化などにより素子数を増加して高性能化しています。しかし原子レベルに到達している小型化に対して、根本的な改善策が必要です。一方で光電子集積回路(OEIC)は、計算を電子で情報伝達を光でといったそれぞれの得意分野を生かした理想的な素子です。現在、OEICの実現に向けた新しい光材料の探索を主に行っています。光ファイバー通信の成功から、ICチップ内への光通信の導入の優位性は明らかである。OEICの実現により、スマートフォンなどの電子機器の動作が格段に速くなることが予想されます。将棋ソフトなどで近年話題になっている人工知能は、何台ものパソコンを並列に接続して計算をさせます。OEICが実現すればICチップ間を並列に光接続できるため、手のひらサイズで人口知能を実現できる可能性も秘めています。OEICの研究には半導体の電子素子と光素子の両者を総合的に知る必要があり、精密素子を作るための機器を自らが動作させ維持管理を行います。そのため、電機メーカーを筆頭に、材料、装置メーカーなど幅広く活躍することが期待されます。浦上法之助教豊橋技術科学大学卒業、2015年より現職。研究分野は半導体工学(レーザ、太陽電池など)、結晶工学、原子層科学。集積回路(IC)チップ内への光通信の導⼊新材料探索とデバイス作製LSIと赤色LEDを同一基板上に作製されたテストチップ(Furukawa et al., Jpn.J.Appl.Phys., 45 L920 (2006).)青色LEDと駆動回路を同一基板上に作製(Tsuchiyamaet al., fabricated at Toyohashi)22

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