工学部研究紹介2016|信州大学
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指先にのせれるバーコードリーダー用小型振動アクチュエータの開発写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm三次元構造解析ソフトウェアを用いたアクチュエータの運動解析写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm⼘研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科指先に乗せれる小さいモータ。このモータは柔らかい材料に支えられているのに、1秒間50回の回転振動もできる不思議なモータです。これは卜研究室でのアクチュエータ技術により開発したバーコードリーダー用振動アクチュエータ部品です。シリコーンゴムの弾性力を利用して、磁石が装着したガラスのミラーを快速的に振動させる構造になっています。この構造は軽くて、丈夫な部品が作れます。アクチュエータの動作をコンピュータで三次元のモデルを作成して、構造解析を行い、用途に応じた最適な振動アクチュエータの研究を進めています。卜研究室のアクチュエータ技術は光スキャン分野以外でも応用可能。例えば、人体と親和性の良い柔らかい高分子材料を用いて、人間の体内に病気の検査や治療ができる医療用体内ロボットの応用も期待できます。カプセルのようなロボットを人間の体内に自由にコントロールすることは夢ではないのです。電気メーカーや電子部品メーカーの他、精密計測の分野で技術者になれます。卜穎剛助教株式会社オプトエレクトロニクスを経て、2012年より現職。主に電磁振動アクチュエータの研究開発に従事。指先に乗せられる「柔らかいモータ」〜アクチュエータ技術とその応⽤〜試作したチップを搭載した評価ボードの写真(左)と試作チップ写真(右)。研究室でのCADを使った設計風景。商用ツールを用いた本格的な集積回路設計が可能。宮地研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科半導体集積回路技術は非常に汎用的な基盤技術なので、その設計技術や知識を習得することは、電機・電子部品・計測メーカーへの就職に限らず、いかなる工学分野においても大いに役立ちます。近年電子化が著しい自動車、鉄道、医療機器メーカーで集積回路設計者を募集する例があるほどです。宮地幸祐准教授東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、東京大学、中央大学の特任助教を経て2013年度より信州大学電気電子工学科助教。2015年度より現職。研究分野は半導体集積回路システム、設計、デバイス。全ての電子機器には電源が必要で、電源を高効率に供給する電源回路が必須です。微弱な環境エネルギーから発電する電源、CPUのような高速かつ大電流負荷に追随する高性能電源、体内に埋め込んだ医療機器などに非接触で給電する電源など、新しい形のパワーマネージメント電源回路が新規アプリケーションとともに次々と生まれています。また、デバイスや実装技術の進展に応じてこれらも常に進化しています。宮地研究室では多様化するパワーマネージメント半導体集積回路設計の研究を中心に、アナログ回路設計や不揮発メモリデバイスの研究を進めております。近い将来、今以上に社会や体内に溶け込んだ無数のセンサーから大量のデータを取得し、データセンターなどで解析して我々の生活品質を向上させるサービスが生まれます。宮地研での研究成果はセンサーのバッテリーレス長期稼働を可能にしたり、原子力発電所の発電量に匹敵する巨大なデータセンターの消費電力を下げ、グリーンな社会の実現に寄与します。また、低人体負荷の体内埋め込み医療機器にも応用が期待されます。パワーマネージメント半導体集積回路システム・設計の研究20

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