工学部研究紹介2016|信州大学
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電気電⼦⼯学科SysteminPackageのパワーデリバリでは、複数のDC-DCコンバータをパッケージ内に分散配置する必要があり、現在、パワーインダクタのパッケージ内蔵とCMOSスイッチを組み合わせたDC-DCコンバータのパッケージ集積化に取り組んでいる有機インターポーザ内蔵パワーインダクタのフェライト磁性薄膜作製法の成果で第11回国際フェライト会議(2013年4月)NewProduct&NovelTechnologyAwardを受賞した電気電子工学科電気電⼦⼯学科先端磁気デバイス(佐藤・曽根原)研究室研究から広がる未来卒業後の未来像第一次試作の光プローブ電流センサモジュールの写真(左上)とブロック図(左下)クリーンルーム内で光プローブ電流センサ用磁性薄膜をスパッタ装置で成膜する学生と、企業の方にその工程を説明する曽根原准教授先端磁気デバイス(佐藤・曽根原)研究室研究から広がる未来卒業後の未来像世界中を飛びかう情報量が爆発的に増加し、スマホやパソコン、データセンターなど情報通信システムの消費電力量は増大の一途を辿っています。一方、東日本大震災に伴う原発事故以来、再生可能エネルギーの利用促進と共に、電力・エネルギーの有効活用(省エネ・節電)が急務となっています。電力・エネルギーの有効活用を図るには、材料・デバイス・ICTなど多様な分野の結集が必要であり、積極的に異分野連携を推進していきます。研究室では、逆境に果敢に挑む強い精神力とそれを支える体力・学力を身に付けるため、学生諸君は日夜努力しており、卒業生・修了生は大手電機メーカー、電子部品メーカー、電力、鉄道、研究機関など幅広い分野で活躍しています。佐藤敏郎教授(株)東芝総合研究所(現、研究開発センター)研究主務、半導体事業本部LSI技術部主査を経て、1996年9月信州大学工学部助教授。2005年4月より現職。研究分野は高周波磁性材料・センサ・デバイス、マイクロ電源など。先端磁気デバイス研究室では、曽根原誠准教授と共同で、磁性材料・デバイス・センサ技をベースに電子機器の低消費電力化を目指したグリーンテクノロジーの研究開発を推進しています。例えば、複数のLSIやセンサなどの異種デバイスをパッケージに集積したSysteminPackageのパワーデリバリとして、電源回路をパッケージ内に分散配置し、これらを統合的に管理することで全体の消費電力を低減しようとするパッケージレベルDCパワーグリッドの実現を目指し、民間企業、東京工業大学、東京大学と共同で研究しています。最新情報は、http://amdl.shinshu-u.ac.jpをご覧下さい。先端磁気デバイス研究室では、佐藤敏郎教授と共同で、デバイス(電子部品)レベルで省エネを真剣に考え、先端システムを支えるグリーン磁気デバイス・センサ/材料を数多く研究・開発しています。一例として、電気自動車やハイブリッド自動車用の高精度な光プローブ電流センサを開発しており、これが実現すれば電気エネルギーの変換効率が従来よりも向上できます。共同研究先の企業からも期待されていて、研究室に所属する大学院生や学部生と精力的に研究開発を進めています。その他の研究内容や当研究室の最新の情報は、http://amdl.shinshu-u.ac.jpをご覧下さい。電力変換効率向上のためのデバイスや低損失デバイスなどグリーンデバイスの開発は、電力不足がより深刻になるであろう近い将来に益々重要になると考えられます。当研究室と共同研究先の企業や学術機関で開発しているグリーンデバイスが実現すれば、原子力発電に頼らず再生可能エネルギーによる発電だけで賄えるような省エネ電気・電子機器の開発やシステムの構築が可能になると確信しています。卒業・修了生は、大手電子部品メーカーなど幅広い業種に就職しています。研究だけでなく普段の生活でも省エネ・環境に対して多角的に考えるように指導をしていることもあり、人間的にも豊かな技術者・研究者として活躍しています。曽根原誠准教授2007年3月信州大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。信州大学SVBLPD研究員を経て、2008年4月信州大学工学部助教。2013年より現職。研究分野は磁気材料工学、磁気・高周波デバイス・センサなど。パッケージレベルDCパワーグリッドによる電⼦機器の低消費電⼒化を⽬指してエレクトロニクス機器のグリーン化を⽬指して〜電⼒変換の⾼効率化に向けた光プローブ電流センサの開発〜17

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