工学部研究紹介2016|信州大学
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池⽥研究室(上)RCカーを改造した実験車両(下)タイヤ力推定手法の検証結果。(図は前輪のタイヤ力)シミュレーションと大体一致しており、推定手法の有効性が示された写真サイズ高さ9.8cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm研究から広がる未来卒業後の未来像機械システム⼯学科自動車の操舵やアクセル/ブレーキを積極的に制御することで安全性・操縦性が向上し、より快適な運転が実現できます。また、人工衛星は衛星通信・放送など私たちの生活の身近にある技術を担っています。そのため、人工衛星を高性能に制御することにより通信容量が増加するなど、私たちの生活がより豊かになると考えられます。機械システムを安全かつ正確に動作させるには自動制御技術が必要であり、「装置を動かす方法」を考えるのが制御工学です。池田研究室では、自動車や人工衛星のような移動体を応用例とし、機械システムをより安全に、かつ高い性能で動作させるための制御方法の開発を行っています。最近では、自動車の安全性・操縦性の向上のために操舵を積極的に制御するアクティブ操舵やタイヤ力の推定、人工衛星では将来の宇宙開発で必要とされている故障衛星の捕捉や複数の小型衛星を用いて磁場などの観測を行うミッションのための制御方法の開発を行っています。卒業生は機器メーカーに就職していますが、制御工学では機械工学はもちろんのこと、電気工学やプログラミングなど様々な知識が要求されることから、様々な分野で活躍できると考えられます。池田裕一助教電気通信大学博士後期課程修了後、釧路工業高等専門学校機械工学科助教を経て、2009年より現職。主な研究分野は機械システムの制御理論の構築、自動車や人工衛星などの移動体の制御。安全かつ⾼い性能で機械システムを動かすための制御⽅法の構築を⽬指す!0-5050⻄村研究室実際には見ることが出来ないナノスケールの変形を計算機実験により検討できる。図は、欠陥を有するCNTのねじり・曲げ解析材料内部で生じる複雑な原子構造変化なども、計算機シミュレーションによって解明できる。図は、金属ガラスに対する押し込みシミュレーションにおける原子ひずみ分布(a) Depth = 2nm(b) Depth = 4nm(c) Depth = 5nm50nmAtomic strain, γ 0.0 0.5研究から広がる未来卒業後の未来像機械システム⼯学科技術発展に伴う製品の小型化により、材料に求められる寸法はどんどん小さくなっています。ナノスケール材料とは、材料寸法が数ナノメートル[nm](=10-9[m])であったり、特徴的な構造がnmレベルに存在するような材料です。材料寸法が小さくなると相対的に原子一つ当たりが占める割合が大きくなるので、材料を原子の集合体として評価する必要があります。そこで本研究室では、原子間に生じる相互間力を分子動力学法という計算手法を用いて評価し、材料の変形をシミュレーションすることで、ナノスケール材料の変形メカニズムについて検討しています。西村研究室では、計算機シミュレーションにより、様々なナノスケール材料を検討しています。例えば、新炭素材料であるカーボンナノチューブ(CNT)は、半径が数ナノメートルの円筒形状をしている代表的なナノスケール材料です。また、結晶化していない金属ガラスは、数原子程の短距離秩序しか持たない材料です。原子レベルからの変形メカニズムを理解することで、これらの新材料がさらに発展し、我々の身近な材料となることが期待されます。卒業生の進路は、自動車メーカーや家電メーカーなどと多岐にわたります。本研究室で培われる材料変形の理解力や計算機を用いたシミュレーション技術の体得は、社会に出てからも役に立ちます。西村正臣講師2009年神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了。信州大学工学部助教を経て、2014年10月より現職。研究分野は分子動力学、計算固体力学、材料力学。ナノスケール材料の固体⼒学原⼦レベルから変形メカニズムを理解する10nm14.413.415.4Atomic shear stress [GPa]Atomic bending stress [GPa]Lattice defect15

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