工学部研究紹介2016|信州大学
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ポンプ側噴射弁側燃料噴射管深⽥研究室ナノメートルレベルの分解能を実現した超精密位置決め機構。X軸およびY軸の2方向と平面内の回転運動を組み合わせた運動が可能サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cmはじめてオングストロームレベル(原子レベル)の位置決め精度をボールねじにより実現した超精密位置決めステージ機構サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cm機械システム⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像私達の身の回りにあるディジタル家電製品(DVD、デジカメ、携帯電話など)の高性能化は、機械・電子部品の加工・測定技術の高精度化と微細化によって支えられています。そのためには、ナノメートルレベルから原子レベルを越える細かさと精度でモノを動かす技術が必要不可欠です。深田研究室では、精密機械システム分野、特に精密機械要素および精密機構の計測制御に関する研究を行っています。現在の具体的な研究対象は精密位置決め機構とその構成要素で、その特性解明と性能改善や、新たな位置決め機構の開発をめざしています。機械・電子部品の加工精度は、その時代とその国の技術レベルを示す指標です。部品の加工精度が向上すると、あらゆる機械や機器の性能が現在よりもさらに良くなります。また、超精密にモノを動かす技術がさらに進展すると、原子レベルの細かさをもつ超微細な構造物を人工的に作り出すことが可能になるので、新たな医療機器や画期的な環境技術を生み出す可能性が開かれます。深田研究室ではそうした超精密な実験装置を全て学生達が設計製作し、制御ソフトも自らの手でプログラミングしています。そうした体験をもとに卒業後は様々な分野のエンジニアとして活躍しています。深田茂生教授東京工業大学精密工学研究所を経て、2005年より現職。研究分野は精密工学、超精密メカトロニクス。メカニズムの設計にはエンジニアとしてのこだわりがある。精密加工は半ば趣味。原⼦レベルの細かさと精度でモノを動かす超精密なメカニズムの実現をめざして杉本研究室研究から広がる未来機械システム⼯学科卒業後の未来像杉本研究室では、主に自動車の車体、シート、エンジン部品、駆動部品を軽量化するための次世代構造用鋼『超高強度低合金TRIP鋼』の開発と製品への応用研究に取り組んでいます。杉本研究室では、主に最適な特性を得ることのできる組織制御法(最適合金組成、加工熱処理法、表面処理法、加工法など)を研究し、世界最新の鉄鋼系新素材を開発しています。また、これらの成果を、企業との共同研究によって数多くの製品の開発に適用しています。鉄鋼材料は将来においても最も重要な素材です。杉本研究室では、鉄鋼材料のもつ能力を極限まで高めるための研究に取り組み、世界に先駆けて『超高強度低合金TRIP鋼』を開発してきました。今後は、研究室の学生、共同研究を進めている企業と一緒に、機械にこれまで多用されてきた構造用鋼を『超高強度低合金TRIP鋼』に置き換え、省資源、省エネルギーに貢献することを目指しています。杉本研究室で材料の材料組織学と材料加工学の基礎学力と応用力を身につけ、かつ論文作成能力、プレゼン能力(コミニュケーション能力)を身に付けた4年生、大学院生の半数は主に輸送機関連企業に就職しています。その他の学生は、精密機械、電気機械、素材関連企業などに就職し、皆さん元気に活躍しています。杉本公一教授東京都立大学助手、大同特殊鋼(株)係長、信州大学繊維学部助教授、工学部助教授を経て、平成10年より現職。4年生の卒業研究風景(超高強度低合金TRIP鋼板の引張試験)当研究室で開発したTRIP型マルテンサイト鋼の組織と適用部品(超高強度乗用車の車体、ディーゼルエンジンの超高圧コモンレール)⾃動⾞を軽量化する超⾼強度低合⾦TRIP鋼の開発と応⽤8

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