信州大学USRレポート2014-2015
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高度救命救急センター 当センターは全国に先駆け、2007年に高度救命救急センターに認定されました。全県・全国を視野に入れた高度医療の緊急窓口として、診療と教育にあたっています。1・2次救急はもちろん、3次救急となる重症熱傷や手足切断、多発外傷の患者さんの治療も行っています。 本院は、ドクターヘリ基地と県内唯一の高度救命救急センターを有していることから、救急医療における最後の砦として任務を遂行しています。3次救急患者数は、全国でも最高水準のもので、国立大学附属病院の平均1,064人に対し、本院は約1.6倍の1,727人となっています。(平成22年度現在)。 2011年10月に運行を開始したドクターヘリは、2014年9月には出動回数1,400回を超えました。今後も運用強化のために診療体制の充実を図り、救命率の更なる向上を目指します。信大医学部附属病院の巡回医療車 “めぐりん号” JA長野県グループのご厚意により、地域医療や健康長寿の促進、実践的な総合診療ができる医師の育成などを目的とした巡回医療車が配備されました。愛称を公募した結果“めぐりん号”という名前に決定しました。ご応募下さったみなさま、ありがとうございました。巡回診療車は、総合診療や健診、調査研究などに利用するほか、災害医療への活用などにも活用します。信州メディカルネットによる病院間のスムーズな情報共有 信州メディカルネットは、地域に発生する診療情報を患者さんの同意のもと複数の医療機関で共有するネットワークシステムです。関連医療機関における検査、診断、治療内容、説明内容を正確に理解し、自施設の診療に反映させることによって、安全で高品質な医療の提供、地域医療の質の向上を目指します。路線バスが信大病院内「玄関前」に乗入れ 2014年10月より、患者さんやご家族の利便性向上のため、アルピコ交通の路線バスの信大病院内への乗り入れを開始しました。 新しく設置されたバス停の名前は「信大病院玄関前」です。便利になった路線バスを是非ご利用ください。総合診療科の開設 超高齢社会を迎えて多様化する医療のニーズに応えるため、総合診療科を2013年11月に設置しました。患者さんそれぞれの医療ニーズに合わせて、臓器別という枠にとらわれない幅広い医療を提供することを目的としています。医学の発展とともに専門分化されすぎた昨今では、その必要性は益々高まっています。 診断のついていない健康問題をかかえている患者さんに対して、総合診療の専門性のひとつである診断学を発揮することで早期診断に努め、また、身体・心理・社会的な問題を含めた包括的な視点で診療を行います。御岳山の噴火の際の救助活動で活躍したドクターヘリ信州大学医学部附属病院新しいバス停「信大病院玄関前」は正面玄関のすぐ隣ですスムーズな情報教育が地域医療活性化の力になりますめぐりん号披露セレモニーの様子長寿長野を支える医療長野県の医療拠点として社会のみなさまへ(3)長野県のがん治療の質向上とがん医療の専門家を育成する信州がんセンター 都道府県がん診療拠点病院として、信州がんセンターでは「集学的がん治療部」、「がん医療支援部門」「がん情報部」が一体となり、県全体のがん医療の質向上に努めています。 生活の質(QOL)が重視される現在、身体への負担が少ない放射線治療の重要性が高まっています。本院では、2013年に放射線治療装置を更新し、今まで以上に精度の高い放射線治療が可能となりました。加えて、県内で唯一甲状腺がんに対する放射性ヨウ素内用療法を実施しています。また、県内のがん患者さんの情報を収集・分析し、支援部門と協力して勉強会や講演会を開催し、地域の皆様へがん疫学情報を発信しています。案内図信州がんセンターの3つの役割長野県は平均寿命が男女ともに全国1位の県です。(平成22年国勢調査に基づく)その長野県の医療を支える医療拠点として信州大学は日々励んでいます。長野県内全域のがん情報を収集・分析及び、がん医療人の育成交流を進めています。緩和ケアやセカンドオピニオン外来など患者さんの心身をケアしています。集学的治療に加え、臓器横断的な医療を提供しています。新バス停病院入口に横付けのバス停です。17SHINSHU UNIVERSITY SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2014−2015

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