信州大学USRレポート2014-2015
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世界初LED可視光通信実験衛星「ぎんれい」打ち上げ成功 「ぎんれい」は信州大学と主に県内企業が参加する信州衛星研究会が連携して、2011年12月より開発を進めてきた世界初の可視光通信実験衛星です。2014年2月28日にH-IIAロケット23号機により、高度400km、軌道傾斜角65度に打ち上げられました。 打ち上げ後は正常に動作し、LED点灯実験に成功、約1等星の明るさで地上から肉眼で確認されました。56回に及ぶ点灯試験を通じ、デジタル通信に必要な技術データを取得しました。地元ケーブルテレビ各局と「信州の火祭りフォーラム」を開催 信州大学は2011年に一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟信越支部長野県協議会と連携協定を締結しており、この連携協定に基づく平成25年度の共同事業として、2014年3月9日「我らが故郷~信州の火祭り~」フォーラムを飯山市公民館講堂で開催しました。 この第2回目のフォーラムでは、「地域の伝統・文化」をテーマに、地域ごとに様々な特徴を持つ「信州の火祭り」について、ケーブルテレビ各局が収録した映像を持ち寄り、各局スタッフと地域代表の飯山市長、研究者らとともに映像を鑑賞しながら、地域文化の違いを検証しました。また、初の試みとして、その模様は県下のケーブルテレビ9局にて公開生放送されました。「三六災害」資料の公開に向けて 天竜川で昭和36年に起こった、「三六災害」と呼ばれる災害の記録資料を、天竜川総合学習館、国土交通省天竜川上流河川事務所、本学附属図書館が連携し、収集・デジタル化・公開する事業【語り継ぐ“濁流の子”プロジェクト】を開始しました。 この取り組みにより、当時の災害を記録した貴重な資料の永続的な保存・公開が可能となり、今後起こりうる水害への対策が一層推進されることの一助となります。 本学附属図書館では、電子書庫のシステム構築、維持管理を行うとともに、財源の確保のため寄附金受入の窓口を行っています。地域の文化・社会的資産を登録、保護 信州大学は、全国遺跡資料リポジトリ・プロジェクトに参加し、長野県内の発掘調査報告書約2,500冊を登録し、長野県遺跡資料リポジトリWEBサイトで公開しています。この冊数は日本一を誇ります。また、日本で唯一、県域を越えて山梨県の登録も行っています。山梨県遺跡資料リポジトリWEBサイトで、約1,000冊を公開しています。長野県と山梨県を合算した冊数は、全国遺跡資料リポジトリの約4分の1を占めています。 信州大学には、数多くの素晴らしい文化資産があります。保存にも力を入れており、多くの建造物が登録有形文化財として登録されています。ケーブルテレビにて公開生放送された「信州の火祭りフォーラム」信州の伝統行事「三九郎」(左)と「伊那どんど焼き」(右)信州大学が提案するLED可視光通信利用のすそ野の広がり・発展性(左)HIIAロケットに取り付けられた「ぎんれい」JAXA提供(右)打ち上げ直前の様子本プロジェクトに寄附をされた、碓田榮一氏(右)と信州大学 笹本正治附属図書館長(副学長)信州若者1000人会議 信州大学繊維学部内に本拠を構える財団法人浅間リサーチエクステンションセンター(AREC)が全国中小企業団体中央会の「地域中小企業の人材確保・定着支援事業」の補助を得て、信州若者1000人会議を主催(信州大学が共催)しています。 2014年6月28日に行った第2回大会では、長野県にゆかりのある若者が東京渋谷に集結し、「若者の力で信州を元気にする」事を目指して、企業との交流会や高校生によるプレゼン大会など、信州を盛り上げるための議論を交わしました。第2回信州若者1000人会議のセレモニー参加者と企業・団体の大交流会芸術文化振興での地域連携 信州大学と長野県信濃美術館との連携に関する覚書に基づき、2014年7月~8月の間、信濃美術館で「信州大学×長野県信濃美術館コラボ展」が開催されました。 信州大学は、登山と山に関する貴重な国内外資料約8,000冊を小谷コレクションとして所蔵しており、県内の博物館や図書館からの貸出の求めに応じています。2014年には、長野県「信州 山の日」の制定を記念して、長野県立歴史館の平成26年度夏季展「山とともに生きる」に、明治期に出版された志賀重昂『日本風景論』など6点を、松本市中央図書館の「中央図書館ロビー展示「岳都・松本」」に、小島烏水の自筆原稿や地元ゆかりの図書3点を貸し出し、市民の方々に鑑賞していただきました。長野県立歴史館に展示された『日本風景論』2014年11月24日、「ぎんれい」は役割を終え大気圏再突入により消滅しました。長い間のご支援ありがとうございました。http://www.shinshu-u.ac.jp/shindaisat/place/index.html#imadoko長野県遺跡資料リポジトリWEBサイトhttp://rar.nagano.nii.ac.jp/14SHINSHU UNIVERSITY SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2014−2015社会のみなさまへ(1)

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