信州大学USRレポート2014-2015
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環境の視点世界の豊かな生活環境と地球規模の持続可能性に貢献するアクア・イノベーション拠点(COI=Center of Innovation) 文部科学省及び(独)科学技術振興機構「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」に、信州大学、(株)日立製作所インフラシステム社、東レ(株)、昭和電工(株)、(独)物質・材料研究機構、長野県が共同で提案した『世界の豊かな生活環境と地球規模の持続可能性に貢献するアクア・イノベーション拠点』構想が中核拠点として2013年10月末に選定されました。(全国で12拠点) 信州大学を中心に開催したフューチャーセッション(未来志向の対話)によって導き出された『多様な水源から水を造り、それを循環して、世界中の人々に十分な水を提供する』という将来の社会ニーズを実現するため、信州大学等が得意とする炭素材料・繊維材料等の研究開発成果と、長野県をはじめとする我が国モノづくりの技術を駆使し、「革新的な造水・水循環システム」の開発と社会実装を目指します。 長野(工学)キャンパスには拠点研究棟となる「信州大学国際科学イノベーションセンター」の建設が進められており、先行的にナノカーボン膜の形成等の研究を開始しました。研究棟完成後は産学官の研究者が一つ屋根の下に集い、オールジャパン体制で研究開発を推進します。信州型水マネジメントモデルを探るRISTEX研究プロジェクト 「水資源の保全とエネルギー源としての利活用、さらに水利マネジメントなどの社会システムの形成」を目的に 2012年10月に文理融合型のプロジェクトとして立ち上がりました。 栄村と安曇野市をフィールドに、地表水と地下水の保全・利活用について、社会科学と自然科学の多角的な視点から研究を進め、「信州型水マネジメントモデル」の発信を目指しています。 地下水を含む水資源の豊富な安曇野市では市民の地下水に対する意識調査やルール作りに向けた調査を、栄村ではクロスフロー水車を実装し小水力発電導入のモデルづくりを進めています。「信州型」グリーンイノベーションの推進 環境・エネルギーを対象とした「グリーンイノベーション」。エネルギーの地産地消という新しい概念を取り入れ、信州の特徴を活かしたナノ水車発電、豊富な地下水による熱利用、資源作物(ソルガム)を利用したバイオマスエネルギー、炭素分子フラーレンを使った画期的な光化学蓄電池など、信州+信州大学モデルと呼べるイノベーションを起こしています。  また、長野県坂城町での産学官共同によるスマートコミュニティづくりに加えて、学内のスマートキャンパス化にも取り組んでいます。導入したナノカーボン研究開発装置で研究に取り組む研究者(左上)小水力発電に適した栄村の湧水(左下)クロスフロー水車発電機(右)水資源の豊富な安曇野市信州型グリーンイノベーションの概念図フューチャーセッションフューチャーセッションには信州大学の教職員のほか、県や企業の方、一般市民のみなさまが参加し、「今後あるべき社会の姿」や「その実現のために解決すべき課題」等について意見交換を行いました。長野(工学)キャンパスに建設中の拠点研究棟「信州大学国際科学イノベーションセンター」(完成予想図)11SHINSHU UNIVERSITY SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2014−2015学生がデザインしたエコバッグを入学式に新入生全員へ配布しています。

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