理工系研究紹介2015|信州大学
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⼯学部建築学科卒業後の未来像井上研究室くらしLife⾷料⽣産科学科研究から広がる未来⾼村研究室研究から広がる未来卒業後の未来像農学部くらしLife井上直人教授信州大学卒業。長野県職員や、京都大学農学部助教授を経て、2002年より現職。研究分野は、高地の作物学、植物栄養学、民族植物学。ポリフェノールが多いピンク色のソバの品種の開発(左)ソバ種子の構造や化学・物理的性質を解明する(右)ソバ粒を粉にしないで、そのまま麺にする装置の開発(左)や感性に合った伝統的な食品デザイン(右)の研究を地域企業と行うおいしい穀物を科学する世界最⾼品質のソバやコメをめざす電気とお湯をつくる燃料電池(エネファーム)の外観写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm住宅における消費電力量や太陽光発電と燃料電池の発電量を計測する計測器を設置した様子サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cm燃料電池の効率を計測するためのセンサーを設置した様子高村秀紀准教授株式会社カネカ、信州大学工学部助手、信州大学工学助教を経て、2010年より現職。住宅のLCCO2(ライフサイクルCO2:住宅建設時から解体時までのCO2排出量)削減が主な研究テーマ。⾼効率でCO2排出量削減効果が⼤きい住宅設備を探る穀物の安全性や高品質にかかわる専門の研究や勉強をした研究室の学生は、食品関係の企業、農業試験場(公務員)、進学による研究者への道に進んでいます。全員が「食や環境」に関する専門職についています。人類にとって最も大切な穀物。世界最高の品質を持った穀物の品種を開発したり、加工する研究をしています。信州はヨーロッパやアジアの山岳地帯と環境が似ており、高地の穀物の研究に適しています。穀物の進化は労働効率、嗜好性や美意識のような人間的要因が強く働いています。したがって、穀物を理解するには、生物学以外に人文科学的な複合的な視点も必要です。そこで、井上研究室では、穀物、土壌、気象、加工などに加えて、伝統的な雑穀の知識や品種も幅広く研究しています。穀物の「おいしさ」は、風土によって作られる。風土は土壌、水、風、精密な栽培技術などです。風土はあたりまえすぎて気づきにくいものです。そうしたいろいろな要因の間の関係を『作物学』や『植物栄養学』は精密に研究しています。特に、人の目に見えない土壌や葉や穀物の化学成分や、光合成の生理的な活動をレーザーを用いて非接触・非破壊でモニターする技術開発をしています。これによって、『勘』に頼った穀物生産から脱出し、高品質で環境に負荷をかけない食料生産が可能になります。(詳細は、井上著「おいしい穀物の科学」、講談社ブルーバックスを読んでください。)地球温暖化は大きな地球環境問題となっています。こうした背景に対して、2010年度の家庭部門からのCO2排出量は京都議定書における基準年比で35.5%増加となっていることから、家庭部門におけるCO2排出量の削減が急務となっています。高村研究室では家庭における電気やガスなどのエネルギー消費量や太陽光発電や燃料電池(エネファーム)等の発電量の計測を行い、家庭における消費エネルギーとCO2排出量の実態を明らかにしています。また、給湯機器等の住宅設備の消費エネルギーを計測し、実態に基いた住宅設備の効率やCO2排出量削減効果等を明らかにしています。居住者の使い方や気象条件が異なれば住宅設備の効率は大きく変わります。一般住宅における実態に即したデータを解析し、寒冷地である長野県内において快適性を損なわず、省エネルギーとCO2排出量削減を達成する住宅設備とは何かを明らかにします。また、省エネルギーを達成させるための住まい方や住宅設備の使用方法についても明らかにします。建築環境工学や建築設備に関する知識を習得することはもちろん、自ら考え行動する力を持った学生を育成しています。主な就職先はゼネコン(総合建設業)や住設メーカーなどです。36

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