理工系研究紹介2015|信州大学
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機械システム⼯学科⼯学部素材Material藤⽥研究室応⽤⽣命科学科研究から広がる未来卒業後の未来像素材Material農学部中⼭研究室中山研究室で開発した「常温圧縮せん断法」で成形したチタン材は従来のチタン圧延材と比べると3倍の強度になることがわかった中山研究室で開発した柔軟であり荷重の大きさや方向を検知できる新しいセンサ(右側)とセンサを多数設置した車いす(左側)3 倍中山昇准教授秋田県立大学助手を経て、2007年より現職。研究分野は、塑性加工、非破壊検査。医学分野、福祉分野に利⽤できる材料開発やセンサの開発研究から広がる未来卒業後の未来像藤田智之教授日本テルペン化学株式会社研究員、大阪府立大学農学部助手、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科助教授を経て、2006年より現職。研究分野は食品化学、生物有機化学。加工した素材中の有用成分の組成や成分量の変化を解析する写真の装置を使えば、有用成分の化学構造を知ることができる⾝体に良い新⾷品素材の探求-天然素材は可能性を秘めた宝物ー中山研究室では、塑性加工を利用しながら、医学分野と工学分野の連携(医工連携)を中心として新しい材料の開発とセンサの開発や研究を進めています。例えば、今後は介護・福祉分野では介護ロボットが必要となると考えられますが、現在のロボットは金属やプラスチックで覆われているため、要介護者と接触すると危険です。そこで、介護ロボットや介護機器の表面に設置することができ、荷重の大きさや、荷重の方向を検知できる柔らかいセンサを開発しました。他にも、企業と共同で医療分野や自動車分野に利用できる新しい機能性材料の開発も行っています。中山研究室では、新しいセンサの開発や高強度な材料や機能性材料の開発を行っています。新しいセンサは介護機器にも使用できますが、コントローラーや感性工学にも利用できます。さらに開発した高強度な材料を自動車分野や航空・宇宙分野へ適用することも考えられます。また人工衛星の設計・開発も行っており、2014年2月28日にH2Aロケットで人工衛星を打ち上げました。目的を持って研究開発を行い、国内・海外での学会発表を行うような研究生活を送っていますので、あらゆる分野で力を発揮し、活躍しています。特に、中山研究室の卒業生は自動車関連や製造・加工関連で活躍しています。植物やキノコなど天然素材の中には各種疾病の発症予防や軽減化に寄与する未知の成分が含まれています。それらの素材の中から、酵素の働きを制御することのできる新しい有用成分を探し出し、人の健康維持に役立つ新食品素材の開発を目指して研究を行っています。また、100メガパスカル(水深1万メートルの水圧に相当)までの加圧が可能な高圧処理装置を用いて、食品素材の新しい加工方法を探究しています。これまでに玄米や玄麦に加圧処理すると、ヌカやフスマの抗酸化性成分が精白米や小麦粉に移行することを見出しています。天然素材に含まれる有用成分を純粋に取り出して、その化学構造を明らかにする技術は、食品分野だけでなく、生薬の分析や生物間で作用する生理活性物質の探索研究にも活かすことができます。そのため他分野の研究者と共同で研究を進めることが少なくありません。研究室で発見した成分や新たに開発した技術などをシーズ(種子)として、有効性の高いテーマは企業と共同で商品化に向けての検討を進めています。藤田研究室では、食品中の有用成分に焦点を当てて研究を行っています。卒業生は食品企業だけでなく、香料や化成品などファインケミカルズと呼ばれる製品群を扱う業種の開発職として就職されているそうです。29

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